ダイソン「28万円照明」は一体何が新しいのか 「照明環境のイノベーション」に挑戦
発表会でジェイク・ダイソンは販路について尋ねられ、「まずは照明やインテリア、建築などのデザイナーに訴求し、各種ショールームへの導入をきっかけに認知を広げたい」と話した。
発表会後に筆者もジェイクと少しだけ話をしたのだが、照明環境の改善や視野から光源を排除する必要性、それらに対してイノベーションを起こそうとしない大メーカーに対する疑問など、やや「思い」ばかりが強すぎる印象を受けた。販路を尋ねられて「まずはデザイナーと・・・」と応じたのも、そうした思いが高じての勇み足かもしれない。
デザイナーへの訴求よりも優先すべきは・・・
ただ日本市場を考えるならば、デザイナーへの訴求よりも、オフィス内装のリノベーションやビル開発を行うデベロッパーなどへの認知を広げ、独立系デザイナーではなく大中小の施工業者内にいるインハウスのデザイナーにその価値や考え方を伝えるべきだろう。
パッケージ化されたオフィスリノベーションやインテリア提案に、キュー・ビーム・デュオを用いたプランが組み込まれるようになれば、同社の技術に対する理解も深まるだろう。
ここでのコミュニケーションが進展すれば、注文住宅やリフォームなどで家庭向け需要も見えてくる。キュー・ビーム・デュオはデザインとしてはかなりソリッドな方向だが、たとえば自宅のワークスペースや食卓、リビングルームをキュー・ビーム・デュオでデザインしなおし、ダウンライトを排して構成すると面白いと感じた。
まずは事業所向けでの成功が必要だろうが、LED照明を単に小型かつ省電力な照明としてとらえるのではなく、その特性を生かして照明環境そのものにイノベーションを起こしたいというジェイク・ダイソンの考えが広がれば、他社のLED照明製品も含めたイノベーションの端緒となるかもしれない。
=文中敬称略=
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら