ダイソン「28万円照明」は一体何が新しいのか 「照明環境のイノベーション」に挑戦

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中央に吊して、机の位置と大きさに照明エリアをピッタリ合わせることが可能(筆者撮影)

キュー・ビーム・デュオには光をトリミングする可変シェードが取り付けられており、均一に広い範囲を照らすだけでなく必要な範囲のみに光を届けるよう調整可能だ。たとえば会議室のテーブルや共同ワークスペースなどの中央にキュー・ビーム・デュオを吊し、机の位置と大きさに照明エリアをピッタリ合わせることが可能なわけだ。

それと同時に“Duo”という名前の由来でもある間接照明を加えて周辺環境に光を回すこともできる。キュー・ビーム・デュオは上面にも光を発することが可能で、天井から40センチの位置に配置しておくと天井の4メートル四方に光を届けて柔らかな光で会議室全体を包む。

ダウンライトとアップライトの手動調整が可能

アップライトの導入例(写真:ダイソン提供)

なお、机を照らすダウンライトと天井を照らすアップライトはリフレクタで分離される仕組みで、その比率を調整できるよう設計されている。リフレクタは縦・横それぞれ個別に簡単に手動調整可能だ。

これにより、ダイソン製LED照明の持つ単一LED素子による高光出力照明という長所が明確な形で生かされることになった。もちろん、今後フォロワーが登場する可能性もあるが、長い間こだわってきた技術が、ここにきてやっとわかりやすい特徴へと応用されたとも言える。

このような凝った仕組みを導入することにより、机を囲むオフィスワーカーの手元に必要充分な明るさが届けられつつも、視線にいっさいの光源が入らず、また間接照明で周辺環境に適切な光が回る理想的な照明環境をキュー・ビーム・デュオだけで得ることが可能になる。

導入には商品の充分な理解が必要だろうが、それもB2Bプロダクトとして法人向けに特化させることで、商品の特性を充分に伝えることができるだろう。実際、デモ会場では机の配置など導入環境を変えながら、それぞれケースバイケースで適した設定が行えるところを見せた。

超長寿命という本製品の基本的な特徴も考えれば、オフィス環境へと食い込んでいける下地は整ってきた。

しかし課題もある。

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