「勘違い就活」は人事の印象を悪くするだけだ なるほど連発、資格オタク、業界不勉強・・・

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・Fランク大学出身で「小売業」なら入れるだろうという甘い学生…多数(1001人以上、商社・流通)。
・事業内容に「国際物流」があるので、「外国語が使える仕事につきたい」という学生が多く、面接に来られます。採用を考える際、「外国語が堪能」ということは、あくまでもプラスアルファの評価であって、そこがメインではありません。その点を理解できず、外国語ができる、外国語を使う仕事ということだけで就活をしてしまい、企業とのミスマッチを起こしているのは残念だと思います(300人以下、運輸・倉庫)。
・同業他社のキャッチフレーズ「文系の方でも誰でもできます」を単純に信じている人。誰でもできるというフレーズは、ポテンシャルがあることが前提にあることを理解していない(300人以下、情報・通信)。

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7.そもそも自信がない

最後に紹介するのは“キョロ充”就活生と“自分探し失敗派”だ。悪い印象というより、人事が扱いに困るタイプと言ったほうが正確かもしれない。自分に自信がもてず、人についていくだけのキョロ充だった学生は、視線や動作に自信のない様子があらわれ、就活でも主体性が感じられないと評価されてしまう。

・目を合わせない(1001人以上、メーカー)。
・自己PRができなかった学生が一人いたこと(301~1000人、メーカー)。
・自分の意志が感じられなく、流されて説明会に参加している学生(301~1000人、情報・通信)。
・自分に自信がない、自分を疑っている様子が、面接の短い時間ではっきりわかってしまう学生。自分の希望や方向性を説明できない学生(300人以下、メーカー)。

自分探し失敗派はさらに深刻である。面接で泣き出したり、泣き出しそうになったりする学生は、かなりいるそうだ。

・自分のやりたいことがわからないと相談されたこと。そこは自分で考えてほしい(1001人以上、情報・通信)。
・面接を模擬面接と同列にとらえ、ダメなところを教えてくださいとか、面接中に泣き出してしまうと、どうしようもないです(1001人以上、情報・通信)。

こういう学生が採用される可能性はほぼない。面接の前にキャリアセンターでカウンセリングを受けて、しっかりと志望動機が言えるように、自分を見つめ直すことから始めたほうがいいだろう。

今回、企業の人事部の声から、「何かを勘違いしている就活生の姿」を抜き出した。しかし、人は誰でも、自分がどういう印象で思われているか、気づいていないものだ。もし、今回見てきたような悪い印象のエピソードが自分にあてはまると思ったら、その癖を直して説明会、面接に臨んでほしい。少しずつでも弱点を直していくことで成長できるし、好印象を与えられるように変わることもできる。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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