西野亮廣「僕ならスマホ授業を全面解禁する」 学校を「楽しい化」する秘策、教えます。

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藤原:おっしゃるとおりかもしれません。そこで、僕がいまちょっと考えていることがあります。

「スマホ授業」のススメ3提案

【提案1】スマホで「授業の評価」をしてもらう

藤原:それは、「スマホを使って生徒に授業評価をさせる」ことです。たとえば、ですが、「よくわかった」「わかった」「イマイチだった」「わからなかった」の4段階評価とか。

西野:あはははは、「食べログ」の学校版みたいですね。

藤原:でも、こういう生徒からのフィードバックをすることで、生徒も授業に参加する気運が高まるし、先生たちも覚悟ができるでしょう。

【提案2】スマホから「生徒の意見」を聞く
西野 亮廣(にしの あきひろ)/絵本作家。1980年、兵庫県生まれ。1999年、梶原雄太と漫才コンビ「キングコング」を結成。活動はお笑いだけにとどまらず、3冊の絵本執筆、ソロ・トーク・ライブや舞台の脚本執筆を手掛け、海外でも個展やライブ活動を行う。最新刊『えんとつ町のプペル』は27万部を超えるベストセラーになっている(撮影:今井 康一)

藤原スマホなら無記名で発信できるので、内気な生徒も自分の意見をいえます。授業中に「意見のある人?」と聞いても、意見が出るのは成績のいい子か目立ちたがり屋だけですし。

西野:なるほど。そこでスマホが生きてくる。

藤原:それから男女差もあって、男子は結論をしっかり出さないと意見を述べることが苦手なんですが、スマホなら男子生徒も意見が出しやすくなると思うんです。女子は結論が出ていなくてもしゃべり始めることができるので。

西野スマホを使うことによって自己開示が働くんですね。

【提案3】「写メ活用」で授業に集中する時間を増やす
『えんとつ町のプペル』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

西野:スマホが使えるようになれば、黒板の内容を「写メ」に撮って、授業に集中することもできますね。ノートに書き写したい人は書き写せばいいし、もし入院して学校に来られない生徒がいたら、授業を写真や動画で撮って届けてあげることもできますよね。

藤原:そうですね。これから「スマホ授業」がどんどん広げられれば、西野さんに投げかけられた「学校を楽しい化する」ということの、ひとつの仮説にはなるだろうな、と思います。

藤原 和博 教育改革実践家、「朝礼だけの学校」校長

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ふじはら かずひろ / Kazuhiro Fujihara

元杉並区立和田中学校校長。元リクルート社フェロー。『藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』(東洋経済新報社)など著書多数。講演会は1200回、動員数20万人を超える人気講師としても活躍中。

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西野 亮廣 絵本作家

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にしの あきひろ / Akihiro Nishino

1980年、兵庫県生まれ。1999年、梶原雄太と漫才コンビ「キングコング」を結成。活動はお笑いだけにとどまらず、3冊の絵本執筆、ソロトークライブや舞台の脚本執筆を手がけ、海外でも個展やライブ活動を行う。また、2015年には“世界の恥”と言われた渋谷のハロウィン翌日のゴミ問題の娯楽化を提案。区長や一部企業、約500人の一般人を巻き込む異例の課題解決法が評価され、広告賞を受賞した。その他、クリエーター顔負けの「街づくり企画」、「世界一楽しい学校作り」など未来を見据えたエンタメを生み出し、注目を集めている。2016年、東証マザーズ上場企業「株式会社クラウドワークス」の“デタラメ顧問”に就任

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