家族を振り回す「家庭内管理職」の迷惑な実態 退職後も影響力を行使したい人の精神構造
2) 自分は特別という特権意識
そのため、少々のことは許されると勝手に思い込んでおり、何でも自分の思いどおりにしないと気が済まない。また、特別有利な取り計らいを要求することもある。
自分が決めたルールを誰にでも押しつける傲慢さや、自分のものの見方や価値観を他人に押しつける強引さも、この特権意識に由来する。自分は特別な存在であり、絶対正しく、誰よりも賢いと思い込んでいるからである。
3) 自分自身の言動が他人にどんな影響を及ぼすのかという想像力の欠如
それらがどれだけ他人に迷惑をかけるか、理解しようとしない。だから、家族や部下が心身に不調を来しても、その原因が自分にあるとは夢にも考えない。
これまでのやり方をそうそう変えられない
厄介なのは、こうした振る舞いを変えるのは至難の業だということ。長く生きてきた彼らは、自分のこれまでのやり方をそうそう変えられない。
だからこそ読売新聞で相談に回答した哲学者の鷲田清一氏は、「年がいってから生き方を変えるというのは至難のことです」と述べたわけで、あきらめるしかないというのが正直なところかもしれない。
あきらめるというとネガティブに受け取られるかもしれない。だが、あきらめることは、実は「明らかに見る」ことでもある。「この人はこういう人で、なかなか変わらない」という現実を見据えれば、甘い幻想を抱かずに済む。そのうえで、どうすれば自分が受ける実害を少なくできるかを考えるしかない。
いちばんいいのは、できるだけ距離を置くことだが、相手が家族や上司であれば、まったくかかわらないわけにもいかないだろう。そういう場合は、徹底的に分析目線で観察する、つまり分析癖をつけることをお勧めする。
そうすれば、2つのメリットがある。まず、相手と同じ目線、同じ土俵で向き合わずに済む。時には、上から目線で観察しながら哀れみのまなざしで眺めることもできる。また、学術的に観察する習慣を身に付けることによって、感情的に受け止めずに済む。
筆者自身、厄介な人間関係を分析しまくることによって乗り越えてきたので、ここで紹介した知識を参考にして、分析癖を身に付けることをお勧めする。
最後に一言。こういう人は本当に迷惑なので、「人のふり見てわがふり直せ」と肝に銘じ、せめて自分自身はそうならないように気を付けたいものである。
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