異次元緩和は空回り、日銀は政策変更を 銀行貸出はさほど増えず金利は上昇、円安で物価高に

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貸出は国債買い上げに ついていけない

13年3月末から6月末までの増加額を見ると、マネタリーベースが28.8兆円、マネーストックが、M2で15.3兆円、M3で16.5兆円だ。同期間の増加率は、マネタリーベースが21.4%増、マネーストックが、M2で1.8%増、M3が1.4%増だ。マネタリーベースの増加率に比べて、マネーストックの増加率は無視しうるほど小さい。

金融緩和に関する教科書的な説明だと、マネタリーベースが増加すると、信用創造メカニズムが生じ、マネタリーベース増加の数倍規模のマネーストック増加が起こるはずだ。

以上で述べたのは、そのような効果が生じていないということだ。

つまり、異次元金融緩和によって国債購入が拡大され、マネタリーベースの増加額は拡大したが、それ以上の効果はほとんど生じていない。いわば、マネタリーベースの増加が空回りしていることになる。

ここでマネタリーベースとマネーストックの関係を復習しておこう。

マネタリーベースとは、中央銀行と政府が民間銀行や企業、家計などに対して持つ負債であり、「日銀券発行高+貨幣流通高+日銀当座預金」からなる。4月4日に導入した金融政策で、日銀は、「マネタリーベースが、年間約60兆~70兆円に相当するペースで増加するよう金融調整を行う」とした。

マネーストックとは、中央銀行を含む金融機関が、経済のそれ以外の部門に対して持つ負債であり、「現金通貨(日銀券発行高+貨幣流通高)+民間金融機関等に預けられた預金」からなる(通貨は金融機関や中央銀行が保有するものを除く)。どの範囲の預金をとるかで、M2やM3など、いくつかの定義がある。

マネタリーベースとマネーストックの推移を銀行側から見れば、「国債を日銀に売却し、その分だけ日銀当座預金が増えるが、貸出は当座預金増加分ほど増えていない」ということだ。当座預金のうち過剰準備に相当する部分には付利(0.1%)があるが、国債利回りよりは低い。したがって、銀行の収益は悪化する。

異次元緩和政策の目的は、「ポートフォリオ・リバランス」であるとされた。日銀の説明によると、日銀が買いオペを行うと、日銀当座預金が増加する一方、運用資産である国債等が減少する。したがって、金融機関は、ポートフォリオ全体としての収益性を維持するために、リスク性資産への投資や貸出等を積極化する、というのである。

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