直近の3カ月で特損が膨らんだのは、2015年4月に公表した免震ゴム偽装のあった建物99棟分について改修費用の見積もりが整ったためだ。ほかのケースと異なり、競合であるブリヂストン製の免震ゴムで代替できず、東洋ゴムが自社で改めて製造しなければいけないものが中心だった。国土交通省や第三者委員会の検証も要する自社製品の費用が合理的に算出することができ、ようやく大きな膿を出せたといえる。
免震ゴム、防振ゴム、そしてシートリング。一連の不正の舞台となったのは兵庫県稲美町にある、東洋ゴムの完全子会社、東洋ゴム加工品の明石工場だ。主力事業であるタイヤの生産ではなく、そのほかの製品を受け持つ多品種少量生産の拠点だ。社員はそれぞれまったく異なる細かな製品の担当に分かれていたため、工場全体でガバナンスが効きにくかった可能性がある。ただ再発防止策への取り組みには現場が積極的に取り組んでいるところだったというだけに、「痛恨の極み」と思いが社員の間で強いようだ。
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