「朝」の首都圏大手私鉄、一番速い列車は何か 特別料金不要の優等列車を徹底比較

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お次は京成電鉄。京成本線(京成成田―京成上野・61.2キロメートル)はこの時間帯、京成上野までの直通は通勤特急のみで、所要時間75分・表定速度49キロだ。

ちなみに、朝の時間帯には有料座席指定列車「モーニングライナー」も運転されており、京成成田8時02分発の「モーニングライナー64号」は所要時間67分。だが、同駅を9時10分に発車する特別料金不要の通勤特急はなんと所要時間63分で、有料列車よりも速い。到着時間の関係で、今回の調査ではノーカウントになってしまうのが惜しい。

続いて成田スカイアクセス線(北総線)・押上線系統(印旛日本医大―押上・39.2キロメートル)を見てみよう。最も速いのはアクセス特急で、所要時間は36分。表定速度はというと……65.3キロ!東武スカイツリーラインの区間快速57.2キロを大幅に抜いてトップに躍り出た。特急も所要時間41分・表定速度57.3キロでわずかながら東武の区間快速を上回り、ワンツーフィニッシュの勢いである。

この路線はその名の通り、かつて「世界一不便な空港」と呼ばれた成田へのアクセス改善を目的として建設されたが、都内への通勤という意味でも圧倒的な速さを誇っていることがわかる。ただし、印旛日本医大―押上間の運賃は1020円と、やや割高感が否めないのも事実だ。

「特急」の名に恥じない京王線の特急

続くは京王電鉄。京王八王子―新宿間(37.9キロメートル)の最速種別は特急だ。朝でも所要時間41分・表定速度55.5キロと、まさに「特急」の名に恥じないスピードを誇る。

一方、相模原線の橋本から新宿まで(38.1キロメートル)は対象時間帯に特急がなく、急行が最速で所要時間55分・表定速度41.6キロ。2番手の区間急行は所要時間61分・表定速度37.5キロと遅い。ちなみに今回の対象時間外となる6時台には特急が2本あり、特に橋本6時11分発の列車は新宿まで所要時間41分・表定速度55.8キロと、急行より圧倒的に速い。

京王井の頭線(吉祥寺―渋谷・12.7キロメートル)は急行と各停の2本立てだが、朝の急行は所要時間22分・表定速度34.6キロと、自動車の法定速度以下のノロノロ運転である。昼間の時間帯は吉祥寺―渋谷間を16分で結ぶこともあり「便利な電車」というイメージが強かったのだが、この遅さは意外ではないだろうか。

続いては、京王とともに新宿駅に乗り入れる小田急電鉄。新百合ヶ丘―下北沢間の約16.6キロメートルをノンストップで走る快速急行がイメージ的には相当速いが、実際のところはどうだろうか?

まずは小田原線(小田原―新宿・82.5キロメートル)。快速急行は、今回の対象時間帯には1本のみだが、所要時間97分・表定速度51.0キロとやはり速い。江ノ島線の片瀬江ノ島から新宿まで(59.9キロメートル)は、この時間帯だと急行のみで、所要時間88分・表定速度40.8キロ。ちなみに、片瀬江ノ島発の快速急行新宿行きは9時42分が始発で、新宿までを67分・表定速度53.6キロで走破する。同駅11時10分発の特急ロマンスカー「えのしま10号」は68分かかるから、なんと快速急行の方が早いのだ。

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