「人生100年時代」への対応の遅れは大問題だ

長寿国の日本こそ「マルチステージ」化が必要

急ピッチで平均寿命を延ばしてきた日本人だが、「マルチステージ」へのシフトは限定的だ。

日本の「平均引退年齢」は男性が67歳前後でほぼ横ばい、女性も64歳前後でほぼ横ばいである。「望ましい引退年齢」(60歳以上に対する調査)も男性は67歳前後でほぼ横ばい。女性は85年の60歳から10年の64歳まで4歳延びたが、60歳の平均寿命は同期間に5.0歳延びており、「望ましい引退年齢」が十分引き上がっているとはいえない。

現状のままでは高齢者の消費はジリ貧

平均引退年齢の変化からは「マルチステージ」化が十分に進んでいないと考えられる。もっとも日本の場合は、引退年齢を引き上げるだけでなく、現状では低い女性の就業率(高齢者層は特に低い)を引き上げるという課題がある。今回は平均引退年齢に焦点を絞ったが、「マルチステージ」化が進めば、高齢者の就業率も上昇するだろう。

日本人が「3ステージ」の人生設計を行う状態から抜け出せていないとすれば、引退期に資金計画の破綻する可能性が高いという結論になる。その結果、高齢者の生活保護の受給者数は著しく増加し、財政への負担も懸念される。

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