慰安婦問題は韓国の理性なき民族主義を煽る 台湾人から見た近隣国の大きな「誤り」は何か
信用という問題だけでなく、私は45年間にわたって、韓国問題とその民族性を研究して得た、個人的な結論がある。韓国の人は「恨(ハン)」が根っこにあり、「敵がいなければ生きていけない」ことだ。前者は、困難な地理的位置によって、周辺の列強から虐げられる悲劇の歴史が絶えず繰り返されたために、形成されたということ。後者は、敵をつくって恨を解消する必要があり、国家と国民がさらに上を目指すための原動力になっているということである。このため、時に非理性的である。
慰安婦の問題については、多くの韓国人が真相を深くは理解してはおらず、メディアと一部の社会運動団体による扇動の下、反日への盲従を始めているのだと、私は確信している。韓国人のこのような激烈な愛国主義を見るにつけて、私は非常に幼稚さを感じる。
かつて、「日韓中歴史共同研究委員会」の日本側の学者チームが台北を訪れ、台湾の歴史学者と座談会を開いたことがあった。私は第三者の立場から、韓国で政府と民間団体が発動している反日の風潮は、根本的に国内用の政治意図であり、反日に名を借りた民族主義による民心団結を鼓吹している、と発言した。この発言に対し、日本の学者はいずれも驚きの表情を見せたと同時に、私の見方に意外性と喜びを感じていたようにみえた。
慰安婦なら韓中が手を結べるはずが・・・
私は、戦後すでに50年、60年、70年を経て、韓国人はなぜ反日を続け、さらに慰安婦問題で抗議しているのだろうか、と疑問に感じていた。特に戦後70周年、かつ日韓国交回復50周年を迎えた2015年以降、両国関係は慰安婦問題によって、逆に最悪の時期に入っている。私は、朴槿惠大統領が中国の天安門で習近平国家主席と一緒に閲兵している姿を見て、ついにその理由がわかった。もともと、慰安婦問題は中国と共有することができるテーマであり、さらに進んで「中国と手を結んで反日を行う」ための絶好の題材だったのである。
韓国は自分たちが日米安保を主軸とする、自由民主主義の陣営に立っていることを忘れ、「事大主義」(対中国従属政策)によって市場を獲得するため、無条件で中国と手を結ぼうとした。その後、韓国政府が10億円で慰安婦問題を解決する約束を受け入れ、さらには米国による高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備を受け入れたことで、中国は烈火のごとく韓国に怒り、もともとの「事大」によって獲得した中国との友好関係は完全に無に帰したのである。同時に、韓国国内で慰安婦問題によって激化させられた愛国主義は、このような「虎頭蛇尾」(最初は立派でも結果は尻すぼみに終わってしまう)のお粗末な結果を、受け入れられなかった。
だからこそ慰安婦問題は韓国人をますます熱くした。これはソウルの日本大使館前に2011年12月に設置された「平和少女像」と絶対的な関係がある。2016年末には釜山の日本総領事館前にも設置され、日本は大使と総領事を一時帰国させて抗議中だ。
韓国のこうした手法は台湾人が使う「抬棺抗議」(棺桶を担いで抗議する)と同じである。
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