高橋一生、松田龍平の縁と静かなる突破力 2017年の冬ドラマはこの2人に注目

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一方、松田さんは、中学生時代に大島渚監督から直々のオファーを受けて、華々しく俳優デビュー。初出演にして初主演となった1999年の映画『御法度』で新人賞を総なめにし、その後、高校を中退して俳優業に専念しました。しかし、世間一般へのブレークには欠かせないドラマには出演せず映画にこだわり、監督たちもそんな松田さんにホレ込んでオファーを出していたのです。

2007年の「ハゲタカ」(NHK)でようやく連ドラデビューするも、映画重視のスタンスは変わらず。2013年の「あまちゃん」(NHK)ではヒロインのマネージャー・水口琢磨を好演してファンを増やしましたが、やはりブレーク路線に乗ろうとはしませんでした。

2人の姿勢をビジネスパーソンにあてはめると……

高橋さんは、「待遇の良し悪しに関わらず、現場の仕事を丁寧にこなして、少しずつ周囲の評価を高める」「だから出世したときは祝福され、サポートを受けやすい」「同期が先に主任や係長になっても姿勢を変えず、目の前の仕事に取り組んだ結果、一番乗りで課長になれた」。

松田さんは、「出世に目を向けずやりたい仕事にこだわり、そのためには異動や転職も辞さない」「立場の差を問わず、同志から大きな支持を受ける」「年齢とキャリアを重ねるうちに柔軟性が生まれ、仕事の幅を広げて再評価された」。

2人の歩んできた道のりは、単なる“大器晩成型”や“一点集中型”というビジネスの成功パターンに留まらず、周囲の信頼も得られる一石二鳥の方法。「これまであなたが歩んできた道」、あるいは「これからあなたが歩みたい道」はどちらなのか。参考にしてみてください。

個性を消すか、自ら打ち出すか

第2のポイントは、高橋さんの「個性を消すことで個性を出す男」に対して、松田さんが「個性を前面に出すことで魅力を感じさせる男」であること。

高橋さんは、いくつかのインタビューで「『役を演じる』という概念をなくしたい」「自分と役の境目をなくしたい」と話していました。たとえば、「あの役って高橋さんだったんですか? 気づきませんでした」と言われて「ヨシッ」と喜ぶなど、高橋一生という存在を消して作品の中に溶け込もうとしているのです。

高橋さんが善人から悪人、変人、謎多き人まで、作品ごとに異なる顔を見せられるのは、このように「個性を消している」から。それが現場のスタッフに認められ、次にコアなファンに支持され、ついには一般の人々にも認知されるなど、「個性を消している」ことが今や最大の個性になり、評価を得ているのです。

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