高橋一生、松田龍平の縁と静かなる突破力 2017年の冬ドラマはこの2人に注目

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一方、松田さんは、松田優作さんと松田美由紀さんの間に生まれ、弟の松田翔太さん、伯母の熊谷真実さん、さらに太田莉菜さんを妻に迎えた芸能一家。6歳のときに父親を亡くし、俳優デビュー後も、偉大な父親の影に悩まされながらも、「いい仕事にめぐり合い成功したときは父親に感謝する」などの葛藤を繰り返しながら成長してきました。

10代、20代のころから30代になった現在まで、「ますます父親に似てきた」と言われ続けながらも、自然体の受け答えができる人柄も魅力の1つ。無理にリップサービスをしないことが、より家族の絆を感じさせます。

2人の姿勢をビジネスパーソンにあてはめると……

高橋さんは、「キャリアや実績を積んだあとに、かつての苦労を明かしたため受け入れられた」「職場の人間関係や仕事道具を大切にする姿を見せ、同僚たちから慕われる」。

松田さんは、「喜びと悩みの両面を自然体で打ち明けられるため、『つき合いやすい人』と見なされる」「周囲の人々も自己開示しやすくなり、組織全体にいいムードが生まれる」。

自己開示の内容とタイミングこそ異なりますが、どちらも組織・個人の両方に好影響を与えられるコミュニケーション方法といえます。

「新境地開拓」でシンクロする2人

その他も2人は、高橋さんの「恋のうわさはあるが、仕事が成功するまで結婚しない男」に対して、松田さんが「恋のうわさが少なく、早めの結婚で仕事と両立させた男」であるなど、プライベートへの向き合い方も対照的。高橋さんのような「地道に実績を積む」タイプは晩婚、松田さんのような「仕事だけに集中したい」タイプは早婚が多いという見方もできます。

最後にふれておきたいのは、現在2人が新境地を開拓していること。

高橋さんは、今年に入って多くのバラエティ番組に出演し、前述した家族の話などをセキララに語っているほか、「カルテット」ではスタート直後に初対面女性とキスし、胸のボタンをはだけさせるなどセクシーな役に挑んでいます。

一方、松田さんも、これまでほとんどしなかった番宣出演に取り組んだほか、「カルテット」では珍しくコミュニケーション巧者を演じ、宇宙人コスプレに挑み、X JAPANとSPEEDを熱唱するなど、次々にレアな姿を披露。ともに既存のファンを喜ばせるだけでなく、一般層にも親近感を抱かせています。

これをビジネスパーソンにあてはめると、高橋さんは「ようやくめぐってきたチャンスを生かすべく、自分を知ってもらうための活動に力を入れ、さまざまな可能性を模索している」。松田さんは「一定の評価を得たファーストステージに区切りをつけ、新たな可能性を模索するセカンドステージに入った」という状態。どちらもポジティブであり、「成功しているときこそ守りに入らず勝負せよ」というビジネスの鉄則にも通じるものがあります。

偶然というべきか、運命なのか。2人は幼いころに父親を亡くし、同じ堀越高校出身(松田さんは中退)で、同じ芸能事務所の舞プロモーションに所属(松田さんは移籍)していました。ここまで書いてきたように2人の生き方は正反対のものでしたが、仕事と向き合う芯の部分ではどこか似ているところがあり、それはルーツによるものかもしれません。だからこそ2人は、たぐいまれなる突破力を持ち、成功者になるべくしてなったような気がするのです。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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