ABCマート、「13期連続増収増益」の秘訣は? 全社員が週に最低1回、「宝探し」で奮闘する

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野口実(のぐち・みのる)/1965年生まれ。1988年シヤチハタ東京商事(現シャチハタ)入社。1991年エービーシー・マート入社。営業本部長を経て2007年から現職

――ネット通販には今後、どう取り組むのか。

EC(eコマース=電子商取引)は重要戦略の一つだ。自宅のパソコン、移動中のスマートフォン、店頭など、すべての注文をシームレスに展開してきたいと考えている。新しいシステム開発を進めている最中だ。

ただ、靴のネット通販はサイズの問題があるため、障壁が高い。そこで、店頭で行うECである「iChock」(アイチョック。タブレット端末を使用し、店頭にない商品を配送するサービスで決済も店舗で行う。2012年秋に開始)の活用をさらに進めていく。

新しい客を獲得できなければ、増益は実現できない

――具体的にはどうするのか。

まず客に来店してもらい、商品のサイズ感を確認してもらう。たとえば、全国的に取り扱う約8000円の「ニューバランス」のスニーカーと主に都心店で取り扱う3万円台の上位モデルではサイズ感はほぼ同じだ。郊外の店舗などで目当ての商品がなかった場合でも、タブレットを通じて注文でき、都心大型店と同じ品ぞろえを実現できる。

郊外店の場合、高価格帯商品が都心店に比べると少ない。店頭ECは在庫を持たずともお客のニーズを満たすことが出来るため、特に郊外で親和性の高い取り組みだ。

――10年以上の長期に渡って増収増益を続ける秘訣は何か。

われわれは毎年20%の既存客を失う前提で戦略を組んでいる。つまり、既存客の囲い込みと同時に、新規顧客を20%以上獲得するための魅力的な商品作りが重要だ。

これまで、新規客を獲得し続けてきたことで、既存店売上高を11期連続で伸ばしてきた。新規店舗を出せば増収は可能だが、新しい客を増やす仕組みを作っていかなければ、増益は実現できない。

菊地 悠人 東洋経済 記者

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きくち ゆうと / Yuto Kikuchi

早稲田大学卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界の担当記者を経て2017年10月から東洋経済オンライン編集部。2020年7月よりIT・ゲーム業界の担当記者に。

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