大阪の新名物!道頓堀コテコテ看板の舞台裏 巨大看板が中国からの観光客に大人気

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従業員は8名と小所帯ですが、この立体看板を始めてから売り上げは10倍に増加。お店の看板だけでなく、催事用、映画宣伝用にも使われるようになりました。

本社工場の入り口で迎えてくれるのは…!(写真:筆者撮影)

大阪府八尾市高安の本社工場には、いろいろな動物やキャラクターの立体造形看板が展示。入り口では、平城遷都1300年のマスコットキャラだった「せんとくん」が出迎えてくれます。

お客様の要望はさまざまですが、卓上サイズから潜水艦、マグロなど10~30メートルの巨大看板まで、幅広く注文に応じています。条件によって異なりますが、1メートルのものでだいたい20万円ぐらい。大きいもので工期は約1カ月かかります。すでに400件以上の製作実績があるそうです。

発泡スチロール選手権でチャンピオンに

現在の大食い王選手権などの先駆けとなった番組に「TVチャンピオン」という競技型バラエティ番組がありました(テレビ東京系。1992~2008年)。「全国魚通選手権」で優勝したのは、無名時代のさかなクンでした。毎回、知識や技術を競うのですが、その「発泡スチロール王選手権」で第4回チャンピオンに輝いたのが当社の中村社長です。

番組の最終年(2008年)2月28日に放送され、取引先でも大いに話題になりました。本物そっくりに作り上げる造形の技術が評価されたのです。おかげでマスコミにも数多く取り上げられ、ドバイや中国からも注文が来るほどになりました。

自らの技術を次世代にも伝えようと、月1回無料で「造形教室」も開催しています。若い世代がモノ作りの楽しさに目覚めるきっかけになると評判を呼び、今年で6年目に突入しました。

これなら遠くから見ても!(写真:筆者撮影)

この立体看板、決して目新しいものではありません。文字の読める人が少なかった時代、軒先に履物屋さんは「ぞうり」、たばこ屋さんは「キセル」をぶら下げるなど、形でお店の内容をアピールしていました。一目でそのお店が何をやっているかがわかる、子供やお年寄りに優しい看板なのです。

表通りから少し引っ込んだところにあるケーキ屋さんが、店の内容を伝えるのに苦労されていました。この立体看板の特徴を知って、当社に立体造形看板を作ってもらうことにしました。4メートルの巨大なイチゴケーキがお店の屋根に突き出しています。これなら遠くから見てもケーキ屋さんとわかります。集客効果も上々で、売り上げも3割アップしたそうです。

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