「内定自慢」の就活は、人生設計をしくじる

周りがチヤホヤするのは内定後1週間だけ

――短い時間でもそうした能力は高められるのでしょうか。

高められます。会社側は学生時代に高めてもらいたいと思っているが、就活をやりながらでも十分高められます。主体性やチャレンジ精神は、どんな会社を訪ねようとか、何社受けようとか、すべてをプロジェクトとして考えていけばよいのです。やってほしいのは、セミナーに行くなら、行く前の予習。そして行った後の復習。先ほど述べたようにPDCAサイクルを回して高めていきます。就活用に1冊のノートを購入して、「就活プロジェクト」をまとめていけばいいのです。実はこれが入社後の仕事のシミュレーションでもあるのです。苦労して、よい就活をする人は、いい仕事ができるのです。

――座学で就活についてシミュレーションするより、どんどんセミナーや会社訪問をしていったほうがよい?

体験が人をつくります。まずは社会に触れていかないとしょうがない。就活を別の言葉で定義すると、学生のやっていることと社会人とのギャップを埋める作業です。相手のレベルを知らないと、そのギャップは永遠に埋まることはありません。社会人に接触してその差を理解することで、初めて悩むことができるのです。

混雑していない電車なら座れる

――業界研究はどう進めていけばよいのでしょうか。

就職人気ランキングの上位の会社がありますが、あれは学生が日常で触れることのできる会社です。上場企業は約3500社ある中で、学生が知っているのは5%以下で、95%以上知らないわけです。知っている会社の中で戦おうと考えますが、それは間違っています。朝、東京駅に向かうすさまじい混雑の中央線に座ろうとしている状態、といえるでしょう。みんなが知っているところだけに集中する現象が起きているのです。だから逆を行きましょう。下りの大月行きはガラガラなわけで、ここなら座ることができます。

どうやって知らない企業を探すかというと、先に述べたとおり、まず書店で売られている業界地図を買い、目次を開くことです。学生のみなさんが知っているのは、自動車や家電、食品、空輸などでしょう。それ以外のたとえば、重工機械系や電子部品業を見て、意外にドル箱な企業を探すことです。完成品メーカーは知っていても部品メーカーは知らない。そういうところに、世界一、日本一の企業があります。実はそういう会社の採用担当者は嘆いている。「なぜにうちの会社には人が来てくれないんだ」と。

――自分がどんな業種や企業に向いているか、どう考えればよいのでしょうか。

自分に合う会社、つまりマッチングの見方には、3つの軸があります。1つ目の軸は、挑戦か安定か。たとえば公務員のような、決まったルールの中で仕事をする業種があります。そうした業種はイコール安定という見方ができます。安定しているが、その分自由度がない。一方、ベンチャーは規制があまりなく、逆に自由度が高くなっています。商社やサービス業は自由度が高いが、金融やメーカーは規制の部分が強いわけです。

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