アリババが惚れた、越境ECベンチャーの正体

累計調達額は創業2年で47億円!

翁永飆CEOは「日本企業と中国のユーザーのギャップを埋める作業が必要。その担い手がいなかった」と語る(撮影:梅谷秀司)

――中国の消費者は日本製品にどのような印象を持っていますか。

1990年代の電化製品に始まり、自動車、現在の化粧品・日用品に至るまで、中国人の日本製品に対する憧れは変わっていない。これは日本人がフランスのファッションやイタリアの革製品に憧れるのと同じこと。

それでも日本企業は、ずっと中国を攻めあぐねてきた。僕は1990年代初頭、日本企業を連れて中国ツアーを頻繁に行っていたけど、日本企業の担当者が語る難しさのポイントは、法務がわからない、消費者の発想がわからない…など、30年経っても同じだ。

一方で、中国のユーザーはたくさんある日本製品の中から何を買えばいいのかわからない。単純に現地にモノを持って行くだけでは意味がなく、両者のギャップを埋める作業が必要。その担い手が長年いなかったわけだ。

膨大な作業をおろそかにしては売れない

――紙おむつや一部の化粧品など、いわゆる”爆買い製品”は越境ECでもよく売れていると聞きます。

確かにそうだが、これはコンテナ1本をいくらで手配して、商品をどれだけ値下げできるか、それだけの戦い。メーカーにとって、あまたある自社製品のうち1~2つだけが爆買いされ、しかも価格競争にさらされる状況は望ましくない。EC業者側も、このビジネスでは「運ぶ」というバリューしか出せない。しかも、物流が発展する中、そのバリューは薄れる一方だ。

ならば、これからの越境EC業者はどこでバリューを出すべきか。それは国をまたぐ際に最大の障壁になる商品の知識や情報を充実させ、発信すること。膨大な作業になるが、そこをおろそかにしては売れない。日用品だけでも日本には数百万の商品がある。そこから自分に合ったものを選べというのは、外国の人には至難の業だ。

とはいえ、情報だけがあってもダメで、自社アプリや大手ECモールで販売チャネルをそろえ、物流基盤を整え、輸出入にかかわる諸問題を解決する必要がある。このビジネスは、たくさんあるパーツのひとつでも欠けるとうまくいかない。初めからコストも重いし。ただその分、他社が参入しようとしても簡単にはできない。

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