ワインに続け!美味な牛肉を売りこむフランス 対日輸出解禁でじわり攻勢、欧州農業大国の実力は?
パリから南へ約400キロメートル離れたオーヴェルニュ地方には、標高1000メートルを超す山々が連なる。全体の7割を占める山岳地帯には牧草を食むウシの姿が目立つ。畜産は地元経済を支える重要な産業だ。南西部のカンタル県が原産のチーズ、「カンタル」は「ロックフォール」とともに「フランス最古のチーズ」として、世界に広くその名を知られている。
牛肉の生産、消費ではEU首位を誇るフランス
フランスにある11の肉用種のひとつ、「サレール種」の子牛供給業者のジャン=マリ・ファーブル氏は、海抜1300~1450メートルの広さ70ヘクタールの牧草地帯で110頭の子牛を飼育する。ファーブル氏が近づいて掛け声を発したとたん、牛が集団で移動を始めた。「それぞれに名前が付いており、性格も把握している」(同氏)。
冬の間は雪に閉ざされているため、放牧ができるのは4~9月までの半年間だ。110頭のうち、雌牛は子牛を産ませるために育てる繁殖牛。雄牛は国内で食べる習慣があまりないため、多くをイタリアへ輸出しているという。
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