「女性管理職」を積極登用する50社ランキング

全体比率と増加率で見る活躍度合い

今度は女性管理職比率を増やしてきた企業についてみてみたい。

このランキングはこれまでの5年間にどれくらい女性管理職の比率を拡大させたか、増加ポイントの高い順に並べている。対象は『CSR企業総覧』2012年版(10年度)で情報開示があり、今回2017年版(15年度)で女性管理職の数が5人以上いる企業(400社)とした。

イオンフィナンシャルサービスが1位

ここでのトップは、女性部長比率の増加率ランキングでもトップだったイオンフィナンシャルサービス(連結ベースのデータ)で、5年前の10年度に5.1%だった比率が今回15年度では31.0%と25.9ポイントも増加した。これまでの5年間の推移をみると、11年度は3.6%といったん下げたものの、12年度11.8%、13年度14.0%と増加し、昨年14年度では31.9%と急上昇している。

実は、同社はこの間にグループ企業再編を行っており、それにともない、本調査のデータが12年度までは旧イオンクレジットサービス、13年度は新イオンクレジットサービスのデータ、そして14年度以降はイオン銀行を含むイオンフィナンシャルサービスの連結ベースの数値と変わっている。調査対象のベースが同じではないため単純比較するにはやや無理があるが、同一企業として存続していることから、あえてランキングの対象に含めた。

2位は、女性管理職比率で29位のセブン&アイ・ホールディングスで、5年前の7.1%から今回26.3%と19.2ポイント上昇した。同社の比率の推移を見ると、11年度が15.0%、12年度17.9%、13年度20.8%と推移し、14年度が22.9%、そして今回が26.3%と着実に上昇している。ただし、10年度のベースはセブン-イレブン・ジャパン、11~13年度がホールディングスとグループ全体としての目標値、そして14年度より、セブン-イレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂、そごう・西武など主要7社とホールディングスの計8社を合わせたデータへと対象が変わっている。

同社では、CSRの重点課題の1つとして「社内外の女性、若者、高齢者の活躍支援」を掲げており、女性の活躍を推進するため「2020年までに女性管理職比率の30%達成」という目標を定めている。そのための支援策の1つとして、12年10月から女性管理職のネットワークづくりやマネジメント力の向上を目指し「Women’s Management Community」を実施していることが、CSR報告書で紹介されている。

3位は第一生命ホールディングス(データは第一生命保険)で、こちらも女性管理職比率で32位にランクしている。5年前(10年度)の5.8%から今回は24.3%と18.5ポイントの上昇となった。ただし、この間に管理職の定義が変更されたこともあり、11年度では新基準で17.6%という数値が示された。以降は12年度18.2%、13年度18.4%、14年度では23.3%と年々その比率を上げてきている。

目標も新基準の当初は「2020年までに20%」だったが「16年までに20%」へと前倒しされ、それを達成した14年度からは「18年4月までに25%、20年代早期に30%以上」という新たな数値が設定されている。

こちらのランキングの上位には小売業や金融業の大企業の名前が並ぶ中、4位に高知銀行、10位に百十四銀行と地方銀行2行がトップ10にランクインしている。

4位の高知銀行は10年度の2.9%から15年度は20.3%と17.4ポイント上昇した。同行では、仕事と子育ての両立支援を推進するための雇用環境の整備等の取り組みを進め、次世代認定マークを4期連続で取得。さらに結婚・育児等により退職した職員の復職を進める制度整備に取り組んでいる。また2016年4月からの「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画では、女性管理職数を100名(実績値88名)にするとの目標を掲げている。

ちなみに、内閣府男女共同参画会議の基本問題・影響調査専門調査会の報告書(2014年4月)によると、高知県は有業者に占める女性の割合(46.7%)、管理的職業従事者に占める女性の割合(21.8%)と、いずれも47都道府県中トップとなっている。高知には女性が活躍できる素地があるのかもしれない。

10位の百十四銀行は、10年度の9.4%から15年度は20.1%と10.7ポイント上昇した。同行では2010年1月に「女性職員の活躍の場の創出や積極的な登用、女性が働きやすい環境の整備」をテーマに、女性職員によるプロジェクトチームを立ち上げている。同チームは15年4月に「Seeds 花百(シーズ はなもも)」と改名し、女性が働きやすい環境づくりなどの取り組みを進めている。

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