障害者スポーツの祭典リオパラリンピックも終了。残念ながら、日本勢は金メダルを取ることができなかったが、2020年の東京パラリンピックではさらなる飛躍を期待したい。
先月は障害者雇用支援月間でもあった。パラリンピックとあわせて、今後の障害者の活躍について考えるにはベストなときかもしれない。東洋経済が、この時期にあわせて毎年発表しているのが障害者雇用率ランキング。今回は『CSR企業総覧』2016年版で2014年度の障害者雇用率の回答があった1035社のうち5人以上障害者を雇用している843社を対象に作成した(昨年版はこちら)。
ランキング1位は3年連続で食品トレーや弁当・総菜容器最大手のエフピコ。ダックス、ダックス四国といった特例子会社を持ち、障害者雇用率は14.98%と高く人数も369人と多い。2012年度16.10%(同369人、以下同様)、2013年度16.00%(372人)と圧倒的な水準を維持している。
市場から回収した使用済み容器の選別工場、折箱容器の生産工場を中心に全国22カ所の事業所でリサイクルペレットの品質向上などで障害者を雇用。
回収した使用済み容器や廃PETボトルはエコマーク認定の「エコトレー」「エコAPET」再生容器としてリサイクルして市場に流通させる。資源循環・CO2削減にも貢献し、環境問題の改善を一体化した事業として展開する。
2位のアイエスエフネットも14%超え
2位は未上場のアイエスエフネット。雇用率14.55%(468人)で、トップのエフピコに迫る。同社は2020年までに1000人の障害者雇用を目指す。特例子会社のアイエスエフネットハーモニーでは、女性障害者の活躍の場を拡大するために「匠カフェ」というカフェでの職場作りも推進している。
3位はエイベックス・グループ・ホールディングスの6.54%(24人)。障害者の勤務場所としてバリアフリーのサテライトオフィスを確保し、バックオフィス業務を任せる。
障害者スポーツに特化した部署も設立し、障害者スポーツアスリートを積極的に雇用。トレーニングや試合などでの企業広報活動も担っている。
今回のパラリンピックにも車いすテニスの上地結衣選手などが出場。障害者スポーツを通して「夢と感動を届ける」というエンターテインメント企業の本業に通じる活動として進めている。
4位は工場用特化搬送機器メーカーであるキトーの5.74%(29人)。2012年度3.55%(27人)、2013年度4.30%(25人)と年々比率を向上させている。
以下、5位ダイジェット工業5.62%(17人)、6位リヒトラブ4.31%(10人)、7位極東開発工業4.25%(28人)と続く。
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