プロが指南、Googleグループ問題の対処法 Googleグループ問題、上場企業も情報漏えい続々

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赤澤氏が推奨する、情報漏えいを特定するための対処策は以下の通りだ。

Step1 まず自分が過去にGoogleグループを利用したかを把握する。

自分が使用するメール用ソフト(Outlook・Thunderbirdなど)で、「@googlegroups.com」で終わるアドレスとメールのやりとりをしたことがないか、すべてのメールに対して検索をかける(サーバーにメール履歴を蓄えている場合はサーバー内のメールに対しても同様のことを行う)。

情報が検索にヒットしない場合、検索したメールの範囲ではGoogleグループに情報を送信していないことになる(ただし、転送された場合を除く)。しかし、ヒットした場合、Googleグループを使用した形跡があることになる。このときヒットしたメールの件名は保存しておく。

Step2Googleグループへアクセス、自分がログアウトしていることを確認する。
Step3  Googleグループのサービス内検索窓に、Step1でヒットしたメールの件名を入力し、検索をかける。ヒットしない場合、そのメールは漏洩していない。ヒットした場合、漏洩している可能性が高い。内容を確認して管理者等に即刻連絡する。

自分が利用者でなくても、漏えいしているケースも

気をつけなければならないのは、Googleグループのサービスサイトを自分が訪問したことが無くても、漏えいしてしまっている可能性があることだ。また、Googleグループのサービス内で組織名や社名で検索して、ヒットしないからといって安心できない。

このような事態が発生している一時的な原因は、Googleグループが初期設定で共有された情報の内容がウェブ上に公開される仕様であった点と、それにユーザーが気づかなかった点にある。そのため、公表したくない情報が公表される事例が多発している。

 

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Googleグループの概念図(カネアカ社作成)

これに対し赤澤氏は「サービスによって、セキュリティーの設定の仕方、またそれを表す言葉の使い方は異なるため、ウェブに精通しているひとでも、実際にサービスを使って、セキュリティー設定を確認しないと、自分が思った通りに行われているかは判断できないことが多い。よって、Googleグループのみならず、新しくウェブサービスを利用し、ウェブ上に他人に見られたくない情報を置くときは、一度ログアウトし、その情報が見られる状態になっていないかを確認するべき」と呼びかける。

※ 関連リンク

カネアカ公式ウェブサイト内で公開されている「Googleグループに関する情報漏えいチェックの手順書はこちら

岡 徳之 ライター Noriyuki Oka Tokyo 代表取締役

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おか のりゆき

1986 年長崎県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、PR 会社ビルコムで2 年4 ヶ月勤務。2011 年8 月に企業PR・ウェブ企画開発・編集ライティングを専門分野として開業。現在はシンガポールを拠点に事業運営に携わる。国内大手企業のウェブプロモーション業務に従事する傍ら、CNET Japan やITmedia など国内の有力ニュースサイトを中心に10 数媒体で執筆を担当。ライターとしての専門領域はIT・ビジネス・マーケティング・クリエイティブ・ライフ・グルメ・人物インタビューなど多岐に渡る。事業会社が運営する自社メディアでの編集ライティング案件にも携わる。異なる専門領域を持つフリーライターと連係し、編集プロダクション的機能も果たす。

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