はとバスが“バブル並み"に客を呼べる理由 「東京観光の定番」が、「超定番」に!

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パンフレットは3カ月に1回刷新。ツアー内容も人気に応じて都度見直すという

定番企画の一つは「東京半日Aコース」。東京駅を出発し、皇居→浅草→銀座→霞が関などの有名スポットを、文字どおり半日でめぐる。食事なしで大人5500円の企画だ。ただ、これはあくまで一例。高級ホテルのバイキングや有名料理店のコースなど食事付きのプランやニューハーフショー、工場夜景の見学、屋形船の遊覧などを組み合わせたユニークな内容もあり、価格が1万円を超える企画さえある。

最近では、都内の有名スポットを1時間程度、大人1500円の手頃な料金設定とする短時間ツアーも拡充している。これらのツアーに花を添えているのが、ガイドの存在。「お客様の快適なバス旅を演出する顔であり、会社の宝として大事にしている」(はとバス広報室)。また、約38%の出資を受け、人材面での交流もある東京都を味方につけていることは、さまざまな恩恵があるだろう。

東京スカイツリー効果は絶大

こうした経営努力に、外部環境という味方が加わったのが今の復活のもう一つの要因だ。2012年度の躍進を牽引したのは東京の新名所、東京スカイツリーの開業や東京駅駅舎の全面リニューアルなどであり、観光地としての東京が魅力を増していることが“追い風”になっている。はとバスは12年5月のスカイツリー開業に合わせて、スカイツリー展望台入場付ツアーを設定。この年間利用者数は26万人を超え、全体の3割近くを占めるまでになった。

東京の新名所、東京スカイツリー(撮影:吉野 純治)

意外にも首都圏在住の顧客に、このスカイツリー展望台入場付ツアーの人気が高いという声もある。「首都圏にいるんだから、わざわざ、はとバスに乗らなくても…」と、思うかもしれないが、そこには知る人ぞ知るカラクリがある。依然として、入場に長時間の待ちが発生するスカイツリーの展望台。はとバスのツアーなら、「団体入り口」を使ってスムーズに入れるというのだ。

はとバスの客層は50代以上の主婦層が多く、男女比率で見ると女性が6割以上を占めている。ただ、最近ではスカイツリーの夜景や、セットになっているホテルディナーなどを楽しむ若いカップルも増えてきている。

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