諫早湾の干拓、「ギロチン」閉め切りから20年

開門巡る裁判の和解協議はまだ続く

和解協議を見守る佐賀市の漁業者は不安顔で話す。「和解ばかりが話題になり、有明海の現実が忘れられている気がする。有明海は漁業者だけのものでなく、みんなの海のはずなのに」。

政府の場当たり的対応に批判

開門するのか、しないのか-。相反する司法判断が出たことで混迷を深めているように映る国営諫早湾干拓事業の開門問題だが、課題を先送りし、長年にわたる政府の場当たり的な対応が大きな要因とする見方も根強い。

「開門により海をきれいにしていこうという高裁の判断は重いものがある」。2010年12月、当時の民主党政権の菅直人首相が、開門調査を命じた福岡高裁判決について「上告しない」という政治判断を下した。反発する官僚を政治主導で押し切り、判決が確定した。

しかし、開門期限直前の13年11月、長崎地裁で開門差し止めの仮処分が決定すると、政府の態度は一変する。民主党から交代した自民党政権の菅義偉官房長官は「菅政権が上告しなかった」と当時の判断を批判した。板挟みの司法判断とはいえ、一貫しない国の対応が浮き彫りになった。

党派を問わず佐賀、長崎両県の国会議員はそれぞれ開門派、開門阻止派に分かれ、政府では農相が代わるたびに「現地視察」を行うのが恒例化している。ある関係者は「何の罪もない漁業者と営農者の対立の構図を解消するのは、政治の責任」と訴える。

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