「たくさん貯金できる人」は、どこが違うのか ウォール街の金融マンも学ぶ「心理学」<下>
勘の良い方ならお気づきかもしれませんが、質問でわかることは、おカネに対して持っているイメージがポジティブか、それともネガティブかということです。
たくさんのおカネを使うことは「罪」?それとも快感?
たとえば4に、「いざこざ」という言葉を入れて、「私の家族にとって、おカネは(いざこざ)の原因だった」という文章にする人は、意外と大勢います。こういう人は、おカネを稼ぐことに対して積極的になれません。なぜなら、家族にとっていざこざの原因だったことから、おカネは「災いをもたらす良くないもの」、あるいは「人間関係を壊すもの」という印象をぬぐい去れないからです。
話は前後しますが、1と2については、親の影響について確認するためのものです。父親、母親のいずれか、もしくは両者がおカネに対して、悪いイメージを持っていると、子供もその生活環境の中で、いつしかおカネを忌避するようになる傾向が見られます。そして、それは3の答えにつながっていきます。
5に「罪」と書いた人は、おそらく倹約家でしょうし、「快感」と書いた人は、浪費家でしょう。
そして6ですが、これも興味深い設問です。「不幸」と書いた人は、ほぼ間違いなくおカネに対してネガティブな印象を強く持っているはずです。ほかに「孤独」、「傲慢」、「悪者」などと書いた人も同様です。そういう人は、たくさんのおカネを持つと、自分の身に何か災いが起こると考えています。
「いやいや、客観的に考えてもそうでしょ。おカネにはそういう一面があるよね」などと、あくまで自分は違うけれど、世の中一般にはそういう傾向があると、評論家のように分析する方がいます。
でも、それは世の中の傾向ではありません。この設問は、あなたのおカネに対する潜在意識を探るためのものですから、その言葉を入れたということは、あなた自身が心の奥底でそういう意識を持っているということなのです。
7は、おカネを稼ぐための手段をどう考えているかを聞いています。これまでに得た回答で傑作だったのは、「お金持ちと結婚」と答えた20代の女性。「おカネは天から降ってくるもの」というくらいに、おカネについて他力本願というか天然というか、自分で稼ごうという意識はまったく持っていないのです。
他の質問についても、たくさんのおカネを使うことは「幸せ」だ、おカネは人を「いい人」にするとまで言い切っています。一見非難を受けるかもしれない回答ですが、実はおカネに対してねじれた意識がどこにもないこの女性、おカネと仲良くできそうではありませんか?
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