「折れる力」がない人は40代から伸びない NHK敏腕制作マンの「流される技術」

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あまりにあっさり判断してしまうのでまわりは拍子抜けしてしまうようですが、そもそもリーダー(この場合、監督)の意見=お客さんがおもしろいと思うもの、では必ずしもないと思います。映画を見る人は、さまざまな感性を持っているはずです。

大切にしなければならないのは、当然ながら作品です。そして、その向こうに見えるテレビの視聴者や映画館に来てくれる方たちの顔でしょう。個人的な感覚は、作品にとってまるで関係がないものだと思います。

それに、そんなやり方をしていても、さまざまな人の意見を聞いていても、最後は自分に帰ってくる。不思議と「吉田さんらしい」と言われるものになっていたりします。どうやったって、「自分」というものは出てくるものだと思います。

しっかりしすぎたリーダーには弊害がある

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逆に、しっかりしすぎたリーダーで目標や理想をしっかり持っていると、周囲の人が発言をする余白が現場に生まれません。みんなが、監督は何を考えてるんだろうとリーダーの持つ「正解に応えようとする」思考になってしまうんです。つまり、自分の意見を持たない状態がすごく増えてくるんです。

でもリーダーが七転八倒していると、この人困ってるんだと思って、意見が言いやすくなります。

会社でよく見かける光景ですが「みんな意見を言ってね。ウェルカムだよ」と言ったところで、あまり意見は出てきません。リーダーが迷っていたり、困っているときに尋ねるというほうが、みんなが助けようとして、意見は増えるように思います。

「折れる」と言えば、「言いたい気持ち」も折るほうが無難です。日常で多いのは、「俺の場合はさ」とはじめる人。結局、自慢話です。それこそ、何も生みません。

吉田 照幸 NHKエンタープライズ番組開発部エグゼクティブ・プロデューサー

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よしだ てるゆき / Yoshida Teruyuki

1969年、福岡県生まれ、山口県育ち。1993年NHK入局。NHKエンタープライズ番組開発部エグゼクティブ・プロデューサー。「のど自慢」「小朝が参りました」などエンターテイメント系の番組を中心に活躍。広島放送局を経て番組開発部移動後、2004年に「サラリーマンNEO」を企画、以後全シリーズの演出を担当。型破りな番組として人気を博す一方、タニタの社食、Google本社を日本のテレビ番組として初潜入、コントに日産のカルロス・ゴーン氏を引っ張り出すなど、話題となった

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