「折れる力」がない人は40代から伸びない

NHK敏腕制作マンの「流される技術」

なかなか「わからない」と言えない人もいます。年をとったり、経験を積むほど、言えなくなります。

また、自分が「できる人」だということを見せたくて「わかりません」と言わない人もいます。相手は「わかっている」と思っているから、その前提でどんどん仕事を進めますが、最終的にはその差が開いてしまって、どうにもならなくなったりします。

「あまちゃん」の現場では、僕はまるで素人でした。

まわりはドラマを撮り慣れている人たちばかり。しかも皆、ドラマ制作の現場をともにしていますから、普段から顔見知りです。その中に、ポツンとひとりまったくのドラマ初心者として入りました。しかもセカンドディレクターとして、1回の放送を任されます。しかし、専門用語が飛び交えば、何を話しているのかすらわかりません。そもそもドラマの「本(台本)読み」って何をやっているのだろうと、基礎的なことが疑問でしたから。

そのとき、僕も40歳を過ぎていましたし、それなりのヒット番組を作っていたわけですから、自分よりも年下の人に聞くのは正直恥ずかしい。プライドも高いですから、躊躇します。でも、とにかくわからないことだらけですから、まわりの人に聞かなければなりません。恥も外聞もかなぐり捨てて、10歳でも15歳でも若い人に「わからないから教えてほしい」と尋ねました。このときばかりはとことんバカになって、平気で何もかも聞きました。実際に僕はドラマ初心者なのですから。

でも、そうすることで、だんだんと現場で僕の居場所ができてきました。周囲もいろいろと気にかけて教えてくれますから、ベテランのカメラマンから「成長が早い」と褒められたこともあります。

リーダーだからといって、すべてわからなくていい

これは、リーダーになっても同じです。「わからない」と言えるリーダーだからこそ、みんなが意見を出してくれます。

僕は監督として仕事をした『疾風ロンド』でも、たくさんの人の意見を聞いています。たとえば、僕が2テイク目がいいと思っていても、僕以外の全員が「1テイク目がいい」と言っていたら、「ま、いっか」と「1テイク目」を採用します。

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