Twitterがメディア企業の関心を失ったワケ 「競争で負け組になっている」
ソーシャルパブリッシングは、ゼロサムゲームになっている。メディア企業が読者の関心を引き寄せるためにフェイスブック、インスタグラム、スナップチャットへと向かうにつれて、ある場所が注目を失いつつある。それはツイッターだ。
ニュースメディアのMic(マイク)は、インスタグラムのユーザーを獲得するために10名から成るチームを編成したが、チームのメンバーが以前に担当していた仕事は、グラフィックス、編集、そしてツイッターだった。また、米新聞社のボストングローブは、これまで選挙のたびにライブツイートを熱心に打っていたが、今回の大統領選挙ではフェイスブックユーザーにエンゲージすることに注力したという。その理由は、「あらゆることがフェイスブックで起きている」からだと、同社でオーディエンスエンゲージメント担当ディレクターを務めるマット・カロリアン氏は語った。
ツイッターの苦悩は、いまにはじまったことではない。だが、かつてのツイッターはメディア企業にたくさんの支持者を抱えており、大勢のジャーナリストがツイッターに熱中していた。彼らは、ニュースの小ネタをツイートしたり、情報を収集したり、あるいは単に仕事を先延ばししたりするために、膨大な時間をツイッターに費やしていた。
ツイッターを取り巻く苦境
いまのツイッターは「注目を集めるという競争で負け組になっている」と語るのは、レベルマウスの創立者兼CEOであるポール・ベリー氏だ。同社は、パブリッシャーがソーシャル上でコンテンツを広める取り組みを支援している。
「5年前や10年前には、ツイッターのフォロワーとトラフィックを増やすことに多くの関心が集まっていた。だが、新興のメディア企業にとっては、ツイッターは二の次の存在であり、片手間で取り組むものになっている。以前なら、1人のスタッフをフェイスブックに、もう1人のスタッフをツイッターに割り当てていたものだが、いまはフェイスブック担当が3人、ツイッター担当が0.5人という状況だ。当社のプラットフォームを利用しているメディア企業のなかには、ツイッターでのトラフィックの拡大に成功している企業もいなければ、そのことを目標にしている企業もいない」。