Twitterがメディア企業の関心を失ったワケ 「競争で負け組になっている」
ツイッターは、本質的にニュースプラットフォームだ。そのため、報道機関の熱が冷めてきていることは、控えめにいっても注目に値する。NBCニュースのデジタル担当シニアバイスプレジデントであるニック・アスカム氏が米DIGIDAYのポッドキャストで述べたところによると、ツイッターはNBCのジャーナリストや人材にとって、いまでも重要な存在だが、組織としてのNBCニュースが、新しい機会を求めてツイッターに投資することはないという。「(我々が)ツイッターについて時間をかけて検討することはない」と、アスカム氏はあっさりと認めた。
当然ながらツイッターは、衰退傾向にあるという見方をするパブリッシャーに反論している。ツイッターによれば、番組の動画をアップロードして共有できるスナッピーTVは成長しており、広告マネタイズ製品のツイッターアンプリファイのおかげで、パブリッシャーの収益も拡大しているという(ただし、具体的な数字は示していない)。
ツイッターの広報担当者は、メールで次のように説明している。
「品質の高いパブリッシャーのコンテンツは増え続けている。これは、当社がパブリッシャーやコンテンツ制作企業と長期的な関係を築いてきた結果だ。こうした関係は、ツイッターアンプリファイなどのさまざまなコンテンツ関係のパートナーシップ、アンプリファイ・パブリッシャープログラム、それにライブストリーミングでのパートナーシップを通じたものだ。動画は、前四半期とその前の四半期にもっとも収益を上げた広告フォーマットとなっている。さらに我々は大手パブリッシャーと提携し、リーチとマネタイズの持続的な機会をもたらすツールを構築する取り組みを続けている」。
圧倒的に少ない影響力
ツイッターは、1日のほとんどの時間をこのプラットフォームに費やしているジャーナリストにとっては、いまでも大きな存在だ。また、ツイッターユーザーの59%もの人がツイッター上でニュースを読んでいる。この割合は、レディットとフェイスブックに次いで3番目に多い。だが、米国の成人のうち、そもそもツイッターを使っている人は16%に過ぎず、ツイッターでニュースを読んでいる人の割合は9%しかない。これに対し、フェイスブックは米国の成人の67%が利用しており、ユーザーの44%がニュースを読んでいると、ピュー・リサーチ・センターは報告している。
ツイッターのトラフィックドライバーとしての力は弱く、米ヤフーにも抜かれているほどだ。調査会社パースリーによれば、平均的なパブリッシャーがツイッターから得ているトラフィックはわずか1.5%だが、フェイスブックやグーグルは約40%だという。