廃線にしたくない!今乗るべき地方路線10選 利用者減少で厳しい路線は沢山ある

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2)JR花輪線(岩手県・秋田県:好摩-大館)

全線を走破する列車はすべて盛岡始発で、盛岡-好摩間は、第3セクターのIGRいわて銀河鉄道に乗り入れている。かつては急行列車が走り、1970年代はじめには蒸気機関車ハチロク(8620形)3重連が走る路線として有名になったり、1990年代後半には上野発安比高原行きの臨時寝台急行が運転されたり、と話題に事欠かない路線だった。

しかし、急行が快速に格下げとなり、いつの間にか廃止され、今では各駅停車の列車が走るのみの地味な路線である。「十和田八幡平四季彩ライン」の愛称があるものの、観光客は並行する東北自動車道利用が多く、沿線の過疎化もあって乗客は減り続けている。車窓のよい路線で温泉地なども点在しているので、何とか持ちこたえて欲しいと思う。

3)JR米坂線(山形県・新潟県:米沢-坂町)

雪に埋もれた米坂線のディーゼルカー(筆者撮影)

山形新幹線米沢駅を起点に山を越え新潟県の坂町(村上市)に至る路線。かつては、新潟と仙台を山形経由で結ぶ東北横断ルートの一翼を担い、急行列車も運転されていた。しかし、山形新幹線の開通により、線路幅が異なるため分断されてしまい、新潟から米沢までの直通運転しかできなくなったため、山形へ行くのさえ乗換が必要である。

さらに、道路事情もよくなったため、山間部の利用客が減り続けている。臨時でイベント列車が走ることもあるが、普段は各駅停車が数往復するのみ。とりわけ小国-坂町間の乗客が少ない。車窓の紅葉が美しいことは知る人ぞ知る路線だ。もっと、乗りに行ってもよい路線だ。

2020年から先はどうなるか・・・

4)名古屋鉄道蒲郡線(愛知県:吉良吉田-蒲郡)

三河湾に沿って走る風光明媚な路線である。かつては、沿線にある温泉地や愛知こどもの国などへの行楽客を運ぶ観光路線として栄え、名古屋本線からの直通特急電車も走る程であった。しかし、観光客の減少、過疎化により利用客は激減、吉良吉田で接続する西尾線との直通電車さえなくなり、線内折返しのみの運行である。

沿線自治体などの支援により、2020年までの存続は決まっているが、その後については未定である。同じ名鉄路線でありながら、IC乗車券は使えないので、吉良吉田で一旦自動改札を通過するという不便さを強いられる。新たな設備投資をしない鉄道会社の姿勢には、いつ切られてもおかしくない無念さを感じざるを得ない。

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