PTAが辛いほど忙しい生活への大きな疑問 PTAだけでなく、仕事だって無駄だらけ
他方で、PTAがまったくなくなっていいかというと、それも問題で。子どもたちの周りには、学校という組織もあるし、教育委員会もあるし、地域の組織もあるけれど、やっぱり子どものために本当に立てるのは、親の団体なんですよ。
もともとPTA活動って、善意のものから出てきているわけです。日本のPTAにもいろいろな実績があって、給食を普及させたとか、子どもや親のためになるいいこともいっぱいやってきたんですね。
それを、いま保護者が大変だから無にしてしまいましょう、というのは非常にもったいない。だからもっと前向きに、新しい時代に向けたものに少しずつ変えながら、残していくことが重要ですよね。
親が個人個人でバラバラにいるのではなくて、ひとつの組織として、子どもの利益を代弁するということは、やっぱり必要ですから。PTAというものは、わたしとしては残っていってほしいです。
PTAの生き残り方にはくふうが必要
ただ、残り方というのは、いろいろくふうしていかないとね。
さっきも言ったように、まず任意性の問題があるけれど、「任意性を周知するとPTAが崩壊する」という人もけっこういるんだよね。でもわたしは決して、そういうことはないと思うんですよ。
日本にもだんだんボランティア精神というものが根付いてきている。震災や大地震のときは、本当にびっくりするくらい、いろんなボランティアの人が集まってくるよね。みんな「人のために役立ちたい、みんなのために働きたい」という気持ちはもっている。
だからPTAだって、自主的に子どもたちのために何かやりたい、という人は、必ずいるわけです。
――そうですよね。「強制をやめたら誰もやらなくなる」という人は、ずいぶん悲観的だね、と思います。
日本もだいぶ成熟してきたから、強制しないと成り立たないということにはならない。そう信じて舵を切っていく、という方向があっていいと思うんだよね。
憲法には「集会結社の自由」があって、そこには当然「入らない自由」もある。そこは明確にする。いまは世間全体がそういうものを求めていますから、PTAもうやむやで済ませていいものではない。
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