嫌われる仕事「営業」を人気にする2つの視点

慢性的な長時間労働は変える余地がある

ちなみに、こうした組織長は現在大体が40~50代ですが、若かりし頃の長時間労働が体に染みついている世代。この組織長のマネジメントスタイルこそ、これまで長時間労働を強いてきた元凶かもしれません。

ただ、そこにメスを入れる会社は少しずつ増えてきました。たとえば、業績以上に部下の時間管理を人事評価で重要視する会社。また、時間外の会議を撤廃、残業自体を基本的に認めない会社も出てきました。あるいは業務効率をあげるために情報システム投資を積極化するなど、営業職のワークスタイルを改革する動きを見せる企業がたくさん出てきています。

商習慣の変化こそが長時間労働をなくす

そして2つ目が商習慣の変化です。実はこの変化こそ、長時間労働をなくせる大きな要因ではないかと考えています。たとえば、製薬業界の営業職といえるMRが接待を廃止したのは有名な話ですが、それに加えて、取引先である病院が「訪問規制」をすすめているのです。

訪問規制の内容は、訪問時間を規制したり、院内の訪問エリアを規制したり、アポイント制にするといったもの。これまでのようにMRが長時間労働しても取引先に会えない状況になってしまったのです。ビジネスを公平にすすめるため、あるいは本業である医療行為に集中するためなど理由は幾つもあるようです。ただ、MRだけでなくそのほかの業界でも訪問規制をすすめる業界は増えつつあります。こうした商習慣の変化は営業職が勤務時間外に上司から、

「何時でもいいから、訪問して熱意を示しなさい」

という無謀な行為をさせない状況を作ることにつながります。おそらく、訪問規制はさらにすすみ、営業職が訪問できるのは限られた時間帯になる可能性があります。

さて、就職・転職のための企業リサーチサイト「Vorkers」が発表した「平均残業時間推移」では、2013年からの3年間で勤務時間が月11時間も大幅減少となっています。営業職がたくさんいる業界、たとえば広告代理店でもこの3年で20時間減っています。

さらに営業職に限って、個別に取材をしていくと長時間労働を大幅に減少させた会社がたくさん出てきています。嫌われがちだけど人口も多い営業職。今後は、残業が少ない人気職種の代表になってほしいものです。

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