営業部を殺す「現場が人を育てる」という妄信 それはマネジャーの責任放棄でしかない

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──人数が営業力の決め手では。

人を増やしてほしいという要請は本当に多い。だが、ほとんどが実際にはメタボ状態で、一人ひとりのパフォーマンスが悪すぎるのだ。内勤時間を縮めればいい。資料作りや社内の打ち合わせに時間がかかる、企画書を書かないといけない、というのは言い訳にすぎない。人それぞれに生活習慣というものがあって、夜8時に帰りたい人は外回りが長くなってもその時間には帰ろうとするものだ。デスクワークを短時間で済ませる志向になる。

もちろん企画書・提案書を作るのは仕事上重要だが、営業能力のない人がいくら作っても企画書・提案書の能力は磨かれない。能力ある人がまず作り、それに従って説明すれば、一方でどう作るべきかのノウハウも身に付いていく。

相当の能力を作るには相当の練習が必要だ

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──営業は「練習量」とも。

一件一件に丁寧に取り組むといっても、それには相当の能力がいる。相当の能力を作るには相当の練習をしなくてはいけない。練習はやはり営業量そのものによる。営業の場合はなぜか、練習しないで試合に出たいという人ばかりだ。スポーツでも試合に勝ちたいと思ったら練習しなければならない。一件必殺主義でいくには相当の努力がいる。その能力をつけるには結局練習しなければならない。量が質を作る。豊富な練習をした人が質をゲットできる。

──「腑に落ちないことはやらない」。これも“病気”なのですね。

腑に落ちないのは、それを理解する知識をまだ持っていないということだ。逆にいうと、腑に落ちることをやり残しているとすれば、もう成長しない。理解しているのに怠慢でやっていないのだから。腑に落ちないことほど必要なものはない。「腑に落ちないことはやらない」は、成長したい人にとってご法度だ。

──各種の“病状”がそれほど進んでいる営業部が多いのですか。

業績悪化が深刻になってハタと気がつく。人と同じで営業も常日頃健康だと思っているし、また思いたい。妄信せず、定期的に“健康診断”を受けることが最良の予防策だ。

塚田 紀史 東洋経済 記者

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つかだ のりふみ / Norifumi Tsukada

電気機器、金属製品などの業界を担当

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