DeNA、「3時間謝罪」でも解明しない詳細経緯 キュレーション事業の現場責任者は欠席

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一方、MERYについては「運営体制が別であり、転載の指示も確認されなかった」ことから公開を維持していた。だが、週明けの5日に第三者委員会の設置を発表。調査を行う上でサービス運営が停止していることが必要との判断から、7日に非公開化されている。

今回の会見に登壇したのは守安社長とDeNAの創業者である南場智子会長、そして小林賢治経営企画本部長の3名。キュレーション事業の統括責任者である村田マリ氏やペロリの代表取締役である中川綾太郎氏の姿はなかった。経営陣の認識、数字面についてはできる限りの回答をする様子は見て取れた。しかし、現場を統括する責任者が不在だったため、経緯の詳細が十分に解明されることはなかった。

会見は質疑応答が続く限り時間無制限という方式で行われたため、15時半の開始から終了まで3時間を要した。主な質疑応答は以下のとおり。なお、質問数は多数に及んでいるため、同趣旨の質問とその回答に関しては一つにまとめている。

新事業が期待通りに成長しなかった

――なぜ、このような事態が起きたのか。

守安:第三者委員会を通じて明らかにしていくことだが、現時点の私の考えでは、二つの要因がある。一つはゲーム事業が落ち込んで、新しい事業を作らなければならないということで、さまざまな事業にトライしてきたが、期待通りに成長することが難しかった。その一方、外を見るとメルカリやスマートニュースといったサービスが勢いよく成長していた。その中で出会ったのがiemoであり、MERYだった。

買収したときに、スピードやチャレンジ精神という、スタートアップのよさを温存しつつ、東証1部上場企業としての体制を構築するバランスを取る必要があるが、それがうまくいかなかった。

もう1点はメディア事業を作っていくということに対する認識。質の担保や著作権者への配慮など、本来メディアとして行わなければいけなかった点が不足していた。著作権侵害について、会社として主導していたという認識はない。しかし、著作権者への配慮や、社内の管理体制に不備があった点には深く反省している。

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