グリー、「長すぎる低迷期」から脱出できるか カギを握るのはヒット連発と「スマホの次」

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ヒット作となった「ソードアート・オンライン -メモリー・デフラグ-」©2016 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/SAO MOVIE Project ©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

スマホへのシフトに出遅れ、長い低迷期を過ごしてきたグリー。勝負の年となる今2017年6月期(2016年7月~2016年6月)は、早々に業績予想を上方修正するまずまずの出足となった。

上方修正の対象期間は第1四半期(2016年7月~9月)の3カ月間。135億円だった売上高予想を149億円に、10億円だった営業利益予想を24億円へ引き上げた。主因は、スマホ向け新規ゲームタイトルの好調だ。特に、バンダイナムコエンターテインメントが8月29日に配信し、グリーも開発に携わっている「ソードアート・オンライン ーメモリー・デフラグー」が貢献した。

業績のピークは4年前

グリーはかつてガラケー向けのソーシャルゲームで躍進を遂げ、2012年6月期には売上高1582億円、営業利益827億円をたたき出した。が、スマホの普及に伴い、ゲームメーカーは米アップルや米グーグルが提供するアプリストアからゲームを配信するネイティブゲームに移行していった。

ゲームメーカーが自社のプラットフォームを介さなくなり、グリー自身のスマホ向けゲーム開発も出遅れたことで収益は急降下。2013年10~12月期から直近の2016年4~6月期まで14四半期連続となる減収を記録した。通期ベースの2016年6月期の営業利益は142億円と、ピークだった2012年6月期の827億円から5分の1以下の水準にまで縮小した。

もちろん、この状況にただ手をこまねいていたわけではない。同社は2014年から「ネイティブシフト」を掲げ、開発人員をネイティブゲーム開発に大幅に移行させた。だが、その後も業績縮小は止まらず、海外拠点の閉鎖、サーバー費用や広告宣伝費の削減を余儀なくされた。

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