3)和寒(わっさむ)【JR宗谷本線(北海道)】
札幌から特急列車に乗っておよそ2時間。真冬なら、和寒で降りると、本当に「わっ寒い」と叫んでしまうだろう。マイナス20度、マイナス30度はザラだからだ。もちろん、そんな理由で地名が付いたわけではなく、真面目に述べると、アイヌ語で「ニレの木の旁ら」という意味が起源である。
4)及位(のぞき)【JR奥羽本線(山形県)】
前回のおもしろ駅名10選は、ビジネストークの潤滑油として使えそうな駅名だったので、あえてリストアップしなかったが、面白い駅名として外せないのがこの及位駅であろう。面白いのみならず、知らないと読めない駅名としても全国で一・二を争うのではないだろうか?
近隣の女甑山(めこしきやま)で、険しい断崖の端から宙づりになり崖の赤穴をのぞき込む修行を行った者は高い「位」に「及んだ」という話に由来する地名である。及位温泉もあり、駅に立ち寄ってみたい気もするけれど、普段は休業しているらしい。
こんな名前の人、いるのでは?
5)飯山満(はさま)【東葉高速鉄道(千葉県)】
東京メトロ東西線に直通する東葉高速鉄道にあるのが飯山満駅。飯山満(いいやま・みつる)という人名かと勘違いしそうだ。駅名の読み方は「はさま」で、これも知らないと読めない。地元では「はざま」と濁って読むこともあるという。難読駅として知られている。ちなみに、隣の駅は北習志野で、「きたならしい」と聞こえてしまうけれど、いたって小奇麗な駅である。
6)猿投(さなげ)【名古屋鉄道三河線(愛知県)】
猿を投げるとは、動物愛護団体が耳にしたら厳しく叱責されそうな駅名だ。「さるなげ」ではなく「さなげ」と読むのも知らないと分からない。愛知県豊田市にあり、かつてはさらに先まで路線が延びていたが、廃線になり、今では名鉄三河線の山側の終点である。
「景行天皇が伊勢国へ赴いた際に、かわいがっていた猿が不吉なことを行ったので、海へ投げ捨てた。その猿が今の猿投山に籠もって住んだとされることから、『猿投』と呼ばれるようになった」そうだが、猿投山と伊勢湾は遠く離れているので、かなり怪しい言い伝えである。なお、猿投山や猿投神社は、猿投駅から歩いて行ける距離にはない。
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