プレハブで9階建て、住宅メーカーの「空中戦」

相続税対策で中高層階住宅の需要が拡大

旭ホームズが公開した実験棟(左)。パナホームは神戸市に7階建ての実例物件を建設した(右)

ハウスメーカーが競って、4階建て以上の中高層建物に参入している。

まず動いたのがパナホームだ。2016年10月11日、工業化住宅、いわゆるプレハブ住宅で過去最高となる9階建てまで対応可能な新架構造、「ビューノナイン(Vieuno9)」を神戸市内に建てたことを発表した。17年1月に商品として発売する。この9階建てを武器として2018年度に3階建て以上の多層階住宅で1000億円の受注額を見込む。

パナホームの発表から約2週間後、中高層階住宅への参戦を表明したのが旭化成ホームズだ。8階建てまでの建築を可能とした「へーベルビルシステム」を、東京都区部で11月より先行販売することを発表。発売時期において先陣を切ることとなった。ただ、2020年度の受注目標は4階建て以上を合わせ500億円と、パナホームに比べるとやや控えめだ。

トヨタホームの後押しを受け参戦へ

この2社のほかに、ミサワホームも”空中戦”への参戦を表明している。竹中宣雄社長は「現状は5階建てまでしか建てられないが、将来はもっと上を目指す」と意欲は満々。ミサワホームは11月22日、トヨタホームによるTOB(株式公開買い付け)で子会社となる方針が発表されたばかり。トヨタ自動車を親会社に持つトヨタホームの資金力をテコに、近い将来必ずや参戦してくるはずだ。

こうした背景には縮小が避けられない国内住宅市場の現実がある。新設住宅着工戸数は2008年度の約104万戸を最後に80万戸台まで低下。消費増税前の駆け込み需要で2013年度に一時的に98万戸まで戻したが、それでも100万戸を超えることはできなかった。今後は年60万戸を割り込むとの予測も出されている。このような事情から新たな収益商品を開発する必要があるのだ。

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