なぜ日本ではラグビーが盛り上がらないのか 代表は善戦しているが、何かが欠けている

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現地のラグビー専門紙は「ウェールズ、ギリギリのところで踏みとどまる」と伝えた(筆者撮影)

W杯本戦でほとんど勝ったことがなかった日本代表の力を一気に引き上げたのは、エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチの手腕というのは誰もが認めるところだろう。長期にわたる合宿、選手たちが音を上げた早朝練習など、「世界のどのチームよりも練習した成果」が本番で実を結んだ。

ところがジョーンズ氏はW杯が始まる3週間前に辞任を決めていた。南半球のラグビーリーグ「スーパーラグビー」に今春から参戦したサンウルブズの準備段階で日本協会が迷走したことなどから、「日本のラグビーには多くの問題がある」と指摘。「退任を決意したのは日本(の関係者)の熱意不足」だとしている。

盛り上がらない主因はファンの「エディーさんロス」?

ジョーンズ氏は、日本との縁が深い(母は広島県をルーツに持つ日系アメリカ人2世)。夫人は日本人であり、「かつてなく日本を理解している指導者」としてサポーターの支持は極めて高かった。W杯の自国開催に向け「エディーさんに付いて行こう。応援しよう」と考えていたファンたちも多いだろう。そこにいきなり冷水を掛ける形となってしまった。

ちなみにジョーンズ氏はW杯の直後にイングランド代表のヘッドコーチに就任したが、負けなし11連勝(11月19日現在)の快進撃を続けている。そんな状況もあり、日本のファンたちに広がる「エディーさんロス」の症状はますます悪化しているようだ。

ジョーンズ氏が率いるイングランドが着々と勝利を重ねているこの1年間、ラグビー日本代表はどのような動きを見せているのだろうか。

昨年のW杯以来、日本代表のプレーヤーで一般の人々に最も有名となったのはフルバックの五郎丸歩選手だ。数多くのテレビCMに出演、ラグビーを知らない人々の間でも、両手を合わせる「キック前のルーティーン」はずいぶんと広まった。

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