仕事のできない人は悪徳セミナーに騙される

裏側にある「巻き上げ」のカラクリを知れ

一方、資金繰りで苦しまなくて済むビジネスの一つが教育産業です。学校や塾の入学金や学費は、入学前に払うのが通常なので、真っ当なビジネスをしていれば資金繰りに窮することはあまりありません。

このようなキャッシュフローのいいビジネスは、めったにありません。コンサートチケットなど一部の業態にかぎられるでしょう。その点、セミナービジネスも同じで、先に参加費が振り込まれるのが通常です。実際には2カ月後にセミナーは開催されるのに、申し込み日には入金が終わっているのです。極端な例を言えば、資金がなくて1カ月後に会社が潰れそうでも、3カ月後、4カ月後にセミナーを計画し集客して入金してもらえれば、会社は潰れずに済みます。

だから、このメリットに気づいた人が次々と、セミナー業界に参入しているのです。これらの特徴を踏まえたうえで、セミナー参加者に注意していただきたいのは、このたび福岡で起こった事件のようにマルチ商法の勧誘や取り込み詐欺的な行為を働くセミナー主催者の存在があることです。たとえば、おカネを集めるだけ集めてセミナーを開催せずに姿を消してしまうケースも、まったくゼロとはいえません。

信用できる講師やセミナーであるかどうかは、インターネットで検索をすれば、だいたいのことはわかるでしょう。悪質な講師や主催者であれば、悪い評判や口コミが大量に引っかかるはずです。逆に、信用できるのは、何度も回数を重ねた歴史のあるセミナーです。何回も繰り返し行われているということは、それだけ役に立っているという証しですし、良質なコンテンツを提供している可能性が高いといえます。

高額商品を買うまで帰さないケースも

セミナービジネスを手がけ大きな利益を得ている50代のAさんと打ち合わせをしていたときのこと。その人は、私にこんなアドバイスをし始めました。

Aさん:「セミナーのあとに顧客をそのまま帰してはダメですよ。一人ずつしっかりとクロージング(契約締結)をかけて利益の高い商品を買ってもらわないと」

松尾:「えっ? そうなんですか?」「松尾さん(筆者)の商品は、それだけの価値があるとご自分でも思っていますよね?」「ええ、それはそうですが……」「それなら、なおさら買ってもらわないと顧客のためになりませんよ!」

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