子育てを姑に任せっきりにするのは間違いだ 自信がなくても、育てることで親になれる

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その後の明子さんは、紆余曲折を経て、今では生き甲斐となっている娘と一緒に暮らしながら働いています。あれほど大切だった娘を一瞬でも手放し、仕事だけを選ぼうとした自分を恥じ、姑さんにとても感謝しているそうです。

遠距離に離れているからこそお互いを思いやり、ますます愛情が深まる親子・夫婦・恋人たちもいますが、離れて暮らすことで心も離れて行くケースはよくあることです。あなたのご相談文で、お子さんに対する思いが何ひとつ伝わってこないことが、気になりました。

お子さんを義母に預け、多忙な仕事を理由に、子どもから遠のいていることが、子どもから心も離れていることの原因であるように思えます。

子育ては、案ずるほど難しくない

今のNS様のようなマイナス思考と消極的な心持ちで離婚されても、あなたには何も残らないどころか、この先何をしても、うまくいかないと思います。働き盛りの年代に、5年間も無職だった夫君と連れ添い、その彼がやっと就職し、再起を誓っています。その持続性は信じられない、離婚にも踏み切れないと悩むのは、自縄自縛に近いです。

私の助言や提案はいつも、いろいろな選択肢がある中の1つですが、今回のNS様への提案は、ただ1つです。

2人で経済的な自立を目指しましょう。自分たちが働いたおカネで生活することの責任を自覚しましょう。近い将来子どもを引き取ることを視野に入れ、できるだけ頻繁に子どもに会いに行きましょう。子どもが何を望み、何が好きで、何に注意して関わるべきかを姑から学び、直接にも感じ取っていきましょう。

一度に何もかも、完璧にしようとするから難しいのです。最初は一緒に遊ぶことから始め、泣けばあやす、食事時には食べさせる、入浴・睡眠しかり、目の前のことからコツコツと、世話をすればいいのです。

太古の昔からヒトは、母性や父性と回りの先輩からの助言や見様見真似で、子育てをしてきました。時代に合わせた一流の育て方などは、その後、徐々に取り入れていけばいいのです。5歳児のかわいいしぐさやほっぺ、お手て、肩……を傍で見てごらんなさい。何もかもが愛おしく、自然に保護者として体が動きますよ。

何もせず、自信がないと悩むのが、いちばんいけません。産んだ子をまずしっかり育てるために努力すること、これがいちばん重要です。離婚に踏み切れない夫君に対しては、まだ踏み切れないならば、今一度信じてみるのはどうですか。

子育ては、案ずるほど難しくないものです。最初から完璧な親などどこにもおらず、育てることで、徐々に親になっていくものなのです。私が察することのできないさまざまな事情があるのかもしれませんが、私が相談分をお読みするかぎりで言わせていただきます。仕事の多忙や夫への不安を、育児放棄の口実にしてはいけないと、強く感じました。

ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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