「銭荒」と、高めの金利を容認する政府

景気・経済観測(中国)

中国の金融市場が、一時かなりの荒れ模様となった。6月20日、上海銀行間取引金利(SHIBOR)翌日物は、終値ベースで13.444%にまで上昇した(図)。

2013年5月の平均値は2.921%、過去最高値は8.528%(2007年10月26日)。これらの数値と比べても、その高騰ぶりは際立った。それほどまでに、中国のインターバンク市場の流動性は逼迫したのである。

流動性不足を中国では「銭荒(チェン・フォアン)」と呼んでいるが、「銭荒」はなぜ起こったのだろうか。

米国のQE3縮小観測がきっかけ

第1に、海外からの資金流入の減少である。今年の初頭は、元高観測を背景に海外からの資金流入が活発であったが、その後、米国のQE3(毎月850億ドルの証券購入策)の規模が縮小されるという観測が広がったことで、元高期待が弱まった。

また、中国経済の回復力の弱さを示す指標の発表も相次いだ。その結果、海外からの資金流入が細ることになった。中国人民銀行、商業銀行が購入したネットの外貨額(人民元換算)は、今年1月の6837億元から5月には668億元に縮小している。

第2に、季節要因も流動性の逼迫をもたらした。5月末には前年度の企業所得税の納付期限が到来、6月に入ると端午節の連休(6月10~12日)前の現金ニーズの高まりなどで資金需要が高まった。

次ページ大手銀に決済不能のうわさまで
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 岐路に立つ日本の財政
  • 貧困に喘ぐ女性の現実
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • コロナ後を生き抜く
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本初、「工場を持たない」EVメーカー誕生の衝撃
日本初、「工場を持たない」EVメーカー誕生の衝撃
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
男性も入れる?新業態『ワークマン女子』の中身
男性も入れる?新業態『ワークマン女子』の中身
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
生前贈与がダメになる<br>相続の新常識

相続をめぐる環境が激変しています。年110万円まで非課税だった生前贈与が税制改正により認められなくなる可能性も。本特集では相続の基本から、よくあるトラブルと解消法、最新路線価に基づく相続税額、さらに生前贈与の将来動向まで取り上げました。

東洋経済education×ICT