有名小学校「お受験」の実態は? 慶應幼稚舎、早実初等部、聖心、白百合、筑波大付属…

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初年度だけで年100万円以上は必要。他の出費も

無事合格したら、その後は“先立つもの”が要る。聖心の13年度の初年度納入金は、入学金27万円、年授業料49万6800円、年施設維持費23万2800円、年後援会費7万2000円で、合計107万1600円。これは最低額であり、ほかにも寄付金などの出費が必要だろう。他校でも100万円以上はかかる学校が多い。

他にもさまざまな出費を覚悟しよう。『慶應幼稚舎』(幻冬舎)を記したアンテナ・プレスクールの石井至代表によれば、「慶應幼稚舎の制服は、仕立て服の老舗といわれる望月洋服店や高橋洋服店が指定される。夏服・冬服ともにオーダーメイドでは6万円程度。またランドセルは、慶應義塾のペンの校章が付いているもので、大峡(おおば)制鞄が業者に指定されている」という。

気になる進路だが、大学付属小の場合は、ほとんどが中学・高校、さらに学部さえ問わなければ、大学までエスカレーター式で行けるところが多い。のびのびした学校生活を送れるのは確かだ。ただし、高校や大学で新たに生徒を募集する学校では、受験戦争をくぐり抜けて入学した“外からの”生徒に対し、学力面での差を感じることも少なくない。実社会に出ればなおさら競争にさらされるだろう。有名小学校入学=人生における成功への切符、とは言い切れないことも、また頭の隅に入れておきたい。

詳しくは『週刊東洋経済』7月6日号の「エリート教育とお金を、ぜひ御覧下さい。

大野 和幸 東洋経済 記者

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おおの かずゆき / Kazuyuki Ohno

ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。相続や年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。

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