ドル円は112円台半ばまで行くかもしれない 日本株は短期的に「3つのリスク」に注意
このことを探る意味でも、目先の注目イベントは、11月17日(木)にあるイエレンFRB議長の上下両院での合同経済委員会での証言です。もちろん、大統領選挙後ではじめての公式発言となるため、どのように市場との対話をこなしていくのかに注目です。もし、そこで上手く乗り切ったとしても、FOMCあたりから、リスクオンの流れが短期的に変わることはありえるでしょう。
日経平均は「12月に1万8640円」の可能性も
日経平均株価は、4月22日の高値1万7572円を上回ったことで、今年2月安値と6月安値とで「二番底」が完成し、上値が一段と見込める局面に入ってきました。前回、もしそうなると当面の上昇余地は1万8500円まで広がると書きましたが、まさにトランプショックに対する「倍返し」の上昇と一致します。米大統領選挙の直前に付けた10月28日の高値(1万7446円)から急落した9日安値(1万6251円)までの下落幅1195円を、高値に加える計算をすると、1万8640円になります。
この上値である1万8640円は、このままいけば12月上旬ごろには達成するのではないかと思います。ここ数年間は11月限のSQ(特別清算指数)算出日が通り過ぎると、12月上旬までは上昇しやすい傾向があるためです。今年のSQは先週の11日でした。
過去をさかのぼると、2015年11月限のSQは1万9496円でしたが、2万円まで上昇したあと、12月1日を起点に下げました。また、2014年のSQは1万7549円となり、1万8000円近くまで上昇して12月8日を起点に下げました。さらに2013年のSQは1万4013円。1万5800円近くまで戻して12月3日を起点に下げたあと、12月30日まで一段高となりました。2012年のSQは8745円となり、アベノミクス相場の起点に近いタイミングになりました。
これらを考慮すると、今の動きも半分ぐらいは理解できそうです。筆者は、株価の講演会・勉強会で株価の動きを物にたとえることをよくやりますが、今回の9日の急落と10日の急騰の動きを例えると、トランプさんだから、「トランプリン」じゃなかった、トランポリンのようなジャンプ台を作った感じにみえます。今年の株価上昇は例年と勢いが違いそうだ、ということで今回の終わりにしたいと思います。
さて、私が所属している非営利の団体・日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)では、「テクニカル分析について学びたい」という読者の方々のためにハンドブック(初級編①)を作成しました。前回大好評をいただいた基礎編に続く冊子です。無料で配布しておりますので、興味のある方は、NTAAのHPからぜひお申し込みください。なお、基礎編とあわせて2冊申し込むことも可能です。
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