日米株価暴落の「Xデー」が現実になるとき

市場は憂慮すべき事態を織り込んでいない

1987年のブラックマンデー時。筆者は一貫して今の日米の株価が割高だと指摘する(写真:AP/アフロ)

米国の大統領選挙が予想外の展開になりつつある。民主党候補であるクリントン氏の勝利が確定的かと思われたが、米連邦捜査局(FBI)がクリントン前国務長官の私用メール問題の捜査を再開したと報じられたことで、事態は急変している。

トランプ氏勝利なら「リスクオフ」で混乱は不可避

米紙ワシントン・ポストとABCテレビが11月1日に発表した世論調査では、共和党候補トランプ氏に1ポイントのリードを許したため、金融市場では警戒感が高まり、ダウは下げ幅が一時200ドルを超えた。2日はついに終値で1万8000ドルを割れた(1万7959ドル)。1万8000ドル割れは今年7月7日以来、約4カ月ぶりだ。

クリントン氏が大統領選で勝利した場合、オバマ政権の政策が継承されるため、先行き不透明感は払拭され、株価にはプラスとの見方が多い。しかし、今回のメール問題再燃をきっかけに、クリントン氏への投票を決めていた向きの一部がトランプ氏に鞍替えすれば、トランプ氏の逆転勝利の可能性は十分にあると言える。

そうなれば、市場が全く予想してこなかったシナリオが現実のものになる。トランプ氏が勝利した場合、経済政策に不確実性が高まり、金融市場はいったんリスクオフの状態になり、混乱は不可避となろう。

その場合には、英国のEU離脱(ブレグジット)以上の下げもあり得るため、相応の準備と覚悟が必要であろう。現時点での市場の反応はなお限定的だが、大統領選の直前で候補者に関することでFBIが捜査を行っていること自体、異例であり、異常事態である。

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