デキない人はPDCAの奥深さに達していない 6つの誤解を解けば誰にも強力な味方になる
3.失敗するのは検証(C)が甘いからだと思っている
「仕事を進めるにあたって計画は誰でも立てるし、実行もできる。ただ、定期的な振り返りをしないからやりっぱなしになって、結果的に同じ失敗を繰り返したりするんだよね」
PDCAと聞いて真っ先に、検証フェーズ(C)をボトルネックと考える人が実に多い。
もちろん、検証なき計画と実行では、PDCAは成り立たない。ただ、そうした人たちの話をよくよく聞いてみると、実は計画の段階で曖昧な計画しか立てておらず、その結果、振り返りがしたくても大雑把な検証しかできていないというケースがほとんどなのだ。
PDCAの5割は計画で決まるといってもいい。計画があいまいなままPDCAを回そうとしても、何をすべきかあいまいで、何を検証し、どう対策をすればいいのかわからない。これではPDCAが回るわけがない。逆に言えば、計画の段階で汗を流して数値目標に落とし込んだ綿密な計画を立てることができれば、その後のステップが圧倒的にスムーズにいくのである。
うまくいったことを確実に再現できるかが重要
4.課題解決のためのフレームワークだと思っている
PDCAは課題解決のひとつの手法である。だからといって、課題がなければPDCAを回す必要がないのかといったらそうではない。
物事がうまくいかない時には必ずどこかに原因があるように、物事がうまくいっている時にも原因がある。しかし、多くの人は物事がうまくいったらただ喜んで、居酒屋での打ち上げで盛り上がって終わりだ。
重要なことは、うまくいったことを確実に再現できるかである。PDCAを回す目的は、最初の計画で立てたゴールを達成することである。それにもかかわらず、多くの人は検証のフェーズで「うまくいかなかった原因」ばかりに着目しようとする。
真のPDCAでは、検証のフェーズで必ず「うまくいった原因」も分析する。「たまたま運が良かった」では得るものがないからだ。必ず何かしらの仮説を立て、「もう一回このアプローチで再現できるか、次のPDCAで確認しよう」と考える。
「うまくいかなかった原因」への対策が「改善案」であるとすれば、「うまくいった原因」の再現を試みるのが「伸長案」である。
私は、PDCAのAを、一般的に知られている日本語訳の「改善」ではなく「調整」としている。「改善」だけに目を取られて「伸長」を忘れないためである。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら