バーナンキ「出口戦略」の真相 髙橋洋一が斬る! FRBとアベノミクスの俗説
「出口戦略」を騒いでいるのは「市場関係者」だけ
――「FRB出口戦略が早期化するのでは?」と報じられています。6月19日の記者会見ではバーナンキから「年内」という発言も出たようですが。
今の段階でFRBの出口戦略について、いろいろと語っても意味がないと思いますね。
まず大前提としてFRBは、2つの明確な長期目標を持っています。
今回翻訳したバーナンキの講演集『リフレが正しい。』でも登場しますが、「物価の安定」と「雇用の最大化」――これを彼はFRBの「2つの責務」と呼んでいます。
そして、前者については「インフレ率2%±1」、後者については「失業率6.5%以下」というように、はっきりと数値目標を掲げているわけです。
まずそれを達成しないことには「出口」の話をしても仕方がないというのが、バーナンキの本音でしょうね。達成したときに初めて出口が現れる。それだけのことです。
