仕事のできない人はPDCAを軽視している 自問自答を止めない普遍のスキルが最強だ
そんな状況でも、つねにいい結果を残せるリーダーは存在する。それはなぜか。もはや言葉を尽くす必要はないだろう。
前に進むのがどんどん楽しくなる
私が『鬼速PDCA』を現在経営している会社の企業文化の軸に据えたわけは、単に成長スピードが速まるという理由だけではない。
どれだけ理路整然としたフレームワークやビジネスモデルであっても、それを実行するのは生身の人間だ。人間である限り感情の浮き沈みもあれば、不測の事態に直面した時にパニックになったり精神的に落ち込んでしまったりすることもある。
その時にすぐに上を向いて、歩みを続ける原動力になるのがPDCAだと思っている。人が不安や疑問を感じ、歩みを止めてしまう原因は3つしかない。
・「はたして今の努力は意味があるのだろうか?」(道が見えない)
・「この方法のまま続けていていいのだろうか?」(手段が見えない)
こうしたことがあいまいなままではモチベーションが上がるわけがない。ましてやその状態で大きな障害に出くわしたとき、それを乗り越えるだけのパワーは湧いてはこない。
仕事であればある程度強制力があるし、毎月の給料という形でなんとなく成果は出る。しかし、不安を抱いたまま全力で仕事に向き合うことはなかなか難しい。その点、PDCAを回していれば、計画フェーズでゴールと道のりが明確になる。そして実行の段階で手段が決まる。
普段からゴールを意識しながらPDCAを回していれば、突如、激流の川が行く手を阻んだとしてもパニックにならずに、橋を作るべきか、ジャンプ力を鍛えるべきか、イカダをこしらえるべきか、迂回路を探すべきかといった打開策を考えることが当たり前のことになる。なぜなら障害があったとしてもそれを乗り越えた先にはゴールがあるとわかっているからだ。このメリットは果てしなく大きい。
そして、何回か障害を乗り越える経験をすれば、そのうち課題にぶつかることが楽しくなってくる。もしあなたが、または、あなたの会社が、長らく壁に直面していないとしたら、それは単に現在地で足踏みをしているだけだ。前に進んでいる限り必ず障害物に当たる。
それを当然なことだと受け入れ、気持ちをすぐに切りかえて前に進み続けていれば、絶対にそれ以上のプラスの結果が返ってくる。むしろ障害物に遭遇したら前に進んでいることを確認できたと素直に喜べばいいのだ。人生はおそらく言うほど難しくない。難しくしているのは自分自身である、と思うことすらある。
もしその障害物が「嫌な上司」だったとしたら、定期的な人事異動で目の前から消える可能性はあるだろうし、会社を転職してしまえばとりあえず障害は消える。それが唯一残されたルートであればしょうがない。でも、いきなりそういった選択肢を選ぶのは考えものだ。それでは再度同じようなタイプの上司が目の前に現れたら、また同じようにその場で立ちすくむことになりかねない。「果たしてこれが最短のルートなのか?」と自問自答を止めてはいけないのだ。
個々のスキルの成長を加速させるスキルであるということ。やる気を加速するスキルであること。この2つの特徴がPDCAを最強のスキルたらしめている。
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