仕事のできない人はPDCAを軽視している 自問自答を止めない普遍のスキルが最強だ

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よって、人生をかけてスキルアップすべきはPDCA力である。PDCA力が高まればタイムマネジメント能力もチームマネジメント能力も問題解決能力もすべて上昇していくのである。

企業・リーダーの価値もPDCA力で決まる

PDCAが個人においても万能であるなら、当然組織でもPDCAは万能、かつ最強の強みとなる。

現在のビジネス環境においてはどれだけ真新しいビジネスモデルやテクノロジーであっても差別化要因にはならない。瞬時に各国の言語に翻訳され、世界中に広まり、陳腐化してしまう。2000年以前の日本では「企業の栄華は10年持てばいい」と言われていたが、現在では数年持てばいいほうである。

ビジネスモデルで企業価値が測られる時代は終わったと考えている。そうではなく新しい仕組みやサービスを鬼速で生み出し続けられる組織力と、市場の変化に瞬時に対応できる柔軟性を持った企業こそ、激動の時代を勝ち残れるのである。

それらはまさにPDCA力のことだ。

時価総額ランキング世界2位のアルファベット(グーグルの親会社。2016年7月末時点で5455億ドル)のすごみは検索エンジンではなく、絶えず新しい試みを続けていることである。世界的ベストセラー『How Google Works』が描いたように、同社では仕事の一部を自由な研究時間に充てることができるし、無料のカフェテリア、生産性を追い求めたオフィス環境、会議スタイルなど、新しい仕組みが生まれる環境を模索し続け実行してきている。

確かに検索エンジンを開発したこと自体はすばらしい。しかし、それは所詮過去の栄光だ。それを示すように、現在のグーグル社長のサンダー・ピチャイ氏はAI畑出身である。検索エンジンのエンジニアではない。市場の表舞台から去っていった日本の数々のマンモス企業のように、自己変革に躊躇する会社は淘汰されかねない。

それはつまり、組織を率いるリーダーにしても同様である。入れ替わりの激しい人員、ライバルのキャッチアップ、相次ぐ自社の新サービス。状況の変化に対して受け身のマネジメントをしていては、当然業績も揺れ動く。それを当然としていては、部下の生活を預かるマネジャーとしての成長はない。

次ページ歩みを続ける原動力になるのがPDCA
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