盛況!新宿ゴールデン街のここが楽しい 東京最強のレトロスポット

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一方、「グリゼット」の店内に目を移すと2階のギャラリー兼のスペースがきれいに改装されて次の展覧会を待っていた。実はこの店は、美術をテーマにしたいわゆる「コンセプトバー」。グラフィックデザイナーだったママの審美眼で2階スペースを使った若手作家の展覧会も年数回のペースで開いている。

昭和の高度成長期、そうそうたる作家たちが通う「文壇バー」の存在がゴールデン街を有名にしたが、その伝統を受け継ぐかのように、今もさまざまなコンセプトバーが存在している。文学、演劇、音楽はもちろんのこと、コンピューターゲームから猫まで、各種コンセプトバーがゴールデン街らしく味付けされ、新たな客層を呼んでいる。

「6年前、26歳で店を開いたときは、ゴールデン街で一番若いママと言われたんですけどね」

そう笑うのは、漫画好きが集まるコンセプトバー「bar図書室」のママ、のんさんだ。近くの音楽バーでアルバイトをしているときに、前の店がやめることになり、声をかけてもらったのがきっかけだった。

「焼酎の瓶が並んでいた作り付けの棚に、漫画の単行本をふと入れてみると、これがあつらえたようにぴったり入ったんです。運命だなと(笑)、勢いで、漫画のコンセプトバーを始めることにしました」

懐かしの貸出カードも

コンセプトは徹底している。店内には、漫画好きのママの蔵書500冊以上が並び、漫画が読みやすいように「ゴールデン街一(照明が)明るいバー」の別名もある。蔵書の裏表紙には、それぞれ貸出カードが差し込まれ、実際に借りていくこともできるという。

ゴールデン街には、もともとナチュラルメイクの女の子が多いが、この店のママといえばナチュラルメイクのうえメガネっ娘。漫画好きの人も、そうじゃない人にとっても、敷居の低さは半端ない。会社帰りの女性客がひとりでふらりとやってきて、デートの待ち合わせ、なんて光景もあった。

「ゴールデン街の店はバラエティーに富んでいますよね。だから誰にでもどこかに、自分に合う店が必ずあるんです。それがこの街の大きな魅力のひとつじゃないかな」(のんさん)

そしてここ数年で、この街に吹いたもっとも大きな風。それは外国人観光客の激増だろう。やたらと混雑した細い路地を歩くと、すれ違うのは全員外国人……そんな「ここはどこ?」状態になることも、今ではぜんぜん珍しくなくなった。

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