2強以外の動画サービスは、灰燼と化した FacebookとYoutubeにはかなわない
このAOL元幹部は、短編のプレミアムオリジナルコンテンツに対するAOLの投資は、それだけの価値があったかという問いに、「まったくなかった。ノーだ。断じて」と答えた。
ベライゾンとコムキャストは、ゴー90とウォッチャブルはデジタル動画事業構築への長期投資だと語っており、広告費だけを追い求めているわけではない。しかし、視聴者獲得で苦戦が続けば、コンテンツに大金を投じることを正当化するのは難しくなるだろう。
オーディエンスは問題であり、ソリューションでもある
番組は、制作したからといって観てもらえるわけではない。しっかりとした配信ネットワークが必要だ。
ベライゾン、コムキャスト、スポティファイは、ストリーミング事業への投資を続けているので、そのことは念頭にあると主張するだろう。なにしろ、ベライゾンはいまやAOLと米ヤフーを所有しており、これはゴー90のコンテンツのプロモーションと配信に活かせる。コムキャストには、ケーブルボックス「X1」があり、テレビ事業の顧客は2200万軒を超える。スポティファイは1億人のユーザーがおり、300万件の有料サブスクリプション契約がある。さらに3社とも、新プロジェクトを宣伝する相手となるファンを抱えたデジタルのパブリッシャーやクリエイターと協力している。
こうした背景がありながらも、顧客が実際にウェブコンテンツのストリーミングの新しいプラットフォームを求めているかどうかはわからない。つまり、ゴー90やウォッチャブルなどは、AOLや米ヤフーといった先人たちと同じく、その険しい山を乗り越えなければならないのだ。
となると、同様にオリジナルコンテンツへの投資を続けているYouTubeは有利だ。YouTubeは、YouTube Redで提供するオリジナルのシリーズや映画に100万ドル以上を投じているという。またFacebookも、オリジナルコンテンツへの投資を増やすことを選択すれば、かなり有利な立場にある。
メッセージングアプリのSnapchatにも可能性がある。コンテンツコーナーである「ディスカバー」のオリジナルコンテンツ制作で、このところハリウッドを口説いているのだ。複数の情報筋によると、1億5000万人に上るデイリーユーザー向けの番組のために、Snapchatは少なくとも50万ドルを出す用意があるという。
YouTubeとSnapchatの両方と仕事をしているあるパブリッシャー幹部は、「細分化が非常に進んでおり、1日中アプリに滞在するインストールベースが必要だ。インストールベースがあるSnapchatとYouTubeには、本来の配信機構があり、動画をクリックして視聴することに慣れたオーディエンスがいる」と語った。
Sahil Patel (原文 / 訳:ガリレオ)
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