今期黒字化の理由
鉄鋼では、電炉最大手の東京製鉄も浮上する見通しだ。これまで赤字の大きな要因のひとつとなっていた減価償却負担が、前期に田原工場の減損を実施したことで軽くなる点が大きい。薄板の苦戦は続きそうだが、建材の堅調が下支えしそうだ。
スクウェア・エニックスも黒字化が見込まれる。こちらも赤字だったゲーム筐体の償却負担が減ることが大きい。ソーシャルゲームも本格化してきそうだ。
規模の大きいところでは、NTT(日本電信電話)。増益率は小さいが、子会社のNTTドコモの伸びが鈍るものの、NTTデータの堅調もあり、利益は上向きそうだ。
なお、95位に入ったDeNA(ディー・エヌ・エー)の今期PERは5.3倍。モバゲーの好調が続き、営業益が前期の768億円から900億円、来期には1000億円の大台も見込めるところまで伸びており、業績的にはこの割安指標は説明できない。やはり、大株主だったソニー(ソネットエンタテインメント名義)が保有株の売却に動いた影響が続いているといえそうだ。
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