「懲戒」の社内公表、どこから名誉毀損なのか 社内でうわさが広がることもあるが…
一方で、懲戒処分の根拠になった事実(たとえば、セクハラなどの不祥事)を他の従業員らが容易に目にすることのできる形で掲示したり、メールで共有したりすることは、たとえ社内であっても、形式的には名誉毀損にあたる可能性があります。『名誉』というのは、その人の外部的な社会的評価を意味し、これを低下させるおそれのある事実を公表する行為は『名誉毀損』に該当します。
そして、『●●が女性従業員にセクハラをした』といった事実は、従業員の社会的評価が低下するおそれがあるといえます。そのため、こうした事実を氏名とともに公表することは名誉毀損にあたる可能性があります」
懲戒処分の対象となった事実が、濡れ衣ではなく真実であったとしても、名誉毀損にあたるのか。
悪質かつ重大な事案に限るべきではないか
「対象となる事実が真実かどうかは関係ありませんが、例外的に、公共の利害に関する事実を公表する場合には、名誉毀損に該当しないとされます。
ただし、仮に公表するとしても、公表の対象とすべきは、懲戒処分の対象になった事実が、悪質かつ重大といった事案に限るべきではないかと考えます。
また、氏名や懲戒の事実が社外以外に漏洩することがないよう、社内での周知の方法なども注意する必要があると思います」
事務所名:尾崎法律事務所
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