「懲戒」の社内公表、どこから名誉毀損なのか 社内でうわさが広がることもあるが…

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

一方で、懲戒処分の根拠になった事実(たとえば、セクハラなどの不祥事)を他の従業員らが容易に目にすることのできる形で掲示したり、メールで共有したりすることは、たとえ社内であっても、形式的には名誉毀損にあたる可能性があります。『名誉』というのは、その人の外部的な社会的評価を意味し、これを低下させるおそれのある事実を公表する行為は『名誉毀損』に該当します。

そして、『●●が女性従業員にセクハラをした』といった事実は、従業員の社会的評価が低下するおそれがあるといえます。そのため、こうした事実を氏名とともに公表することは名誉毀損にあたる可能性があります」

懲戒処分の対象となった事実が、濡れ衣ではなく真実であったとしても、名誉毀損にあたるのか。

悪質かつ重大な事案に限るべきではないか

「対象となる事実が真実かどうかは関係ありませんが、例外的に、公共の利害に関する事実を公表する場合には、名誉毀損に該当しないとされます。

ただし、仮に公表するとしても、公表の対象とすべきは、懲戒処分の対象になった事実が、悪質かつ重大といった事案に限るべきではないかと考えます。

また、氏名や懲戒の事実が社外以外に漏洩することがないよう、社内での周知の方法なども注意する必要があると思います」

尾崎 博彦(おざき・ひろひこ)弁護士
大阪弁護士会消費者保護委員会 委員、同高齢者・障害者総合支援センター運営委員会 委員
事務所名:尾崎法律事務所

 

弁護士ドットコムの関連記事
パトカーを呼び止めて「お金貸して」・・・財布を落としたとき「警察」に借りる方法
「性生活なしの結婚」誓約書に同意した夫が「君と交わりたい」・・・妻は離婚できる?
迷惑な「歩きスマホ」に罰金を課すべき?小倉智昭さん案について弁護士11人に聞いた

 

弁護士ドットコム
べんごしどっとこむ

法的な観点から、話題の出来事をわかりやすく解説する総合ニュースメディアです。本サイトはこちら。弁護士ドットコムニュースのフェイスブックページはこちら

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事